ピエートロ・ヴィーディ、フィオネで初の8C+/V16ボルダー、Fuck the Systemを完登

planetmountain.com
訳=羽鎌田学

2024年6月12日、イタリア人クライマー、ピエートロ・ヴィーディが、スイスのヴァレー州フィオネ村にあるFuck the Systemを登り、自身初となる8C+課題をゲットした。

確かにそれは時間の問題ではあったが、実のところ、ピエートロ・ヴィーディにはまったくその時間は必要なかった。8C課題を6本、そのうち5本は僅か過去12ヵ月の間に登ってしまった21歳のイタリア人クライマーは、今回、初めての8C+課題であるFuck the Systemの第4登に成功し、ボルダリング界のトップクラスの一員となったのだ。

この課題は、デイブ・グレアムが10年ほど前に設定した古いプロジェクトで、基本的にはデイブが2013年に初登したFoundation’s Edge(8C/V15)のダイレクトスタート版で、2021年7月にショーン・ラブトゥが初登したものである。翌2022年6月にはデイブ自身も第2登に成功し、同年10月にはフランス人ボルダラー、クレマン・ルシャトワが第3登している。ピエートロは、昨年の夏にFoundation’s Edgeを再登し、その機会を利用して、より下からダイレクトにスタートするFuck the Systemを試みていたが、核心のトリッキーなニーバーを解決できていなかった。

2023年最後の数ヵ月と2024年の最初の数ヵ月をバヴォーナで、大御所デイブ・グレアムと一緒に登りながら過ごした後、ピエートロは技術的に上達したと確信した。そこでフィオネに戻り、キーとなっていたニーバーを使ったシークエンスの解明に取りかかり、それを直ぐに解決した。ただ、その過程でただでさえ小さなフットホールドがわずかに欠けたために技術的な核心パートの成功率はさらに低くなってしまった。それにもかかわらず、彼は何度か核心を通過し、より高いところでフォールするようにはなっていた。フォールの原因は湿気ったホールド。湿度の上昇という悪条件相手の本当の戦いがすでに始まっていたのだ。

だが、21歳の若者は、いつかはすべてのシークエンスを流れるようにこなして課題を足元にできると自分自身に言い聞かせてトライを重ね、それをついに実現した。彼の最初の8C+、もちろん最後のそれではないだろう。

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