鳳来・ハイカラ岩で大規模なホールド欠損

2021年12月31日、原田一男がトライ中だったスぺクテーター 5.14d(下部はコエンマ 5.14c)で大規模なホールド欠損が起きた。


右足を乗せている、この大きなホールドがまるごと落ちた

「今年最後の鳳来へ行ってきた。寒波の影響で、もうチャンスがなくなったと思っていたが、もう一度、快晴の日が来た!ハイカラ岩の上にも雪が積もっていたが、スペクテーターの部分だけは積もっていなかった。

今日は気温3℃。風が少し吹いていたが、登るのには特に問題はなかった。とは言え完登をめざすには、いい時間に2トライまでと決めて、集中して全力を出そうと思った。

1回目。結構、岩が冷たい。それでも問題はなく、淡々と登る。核心に入りフリクションが悪いことに気がついたが、お構いなしに手を出し続けた。アンダーからの遠い一手も止まり、ここから!って思ったが、うまく持ち切れなくて落ちた。次にかける。体を冷やさないようにレスト。

そして2回目。岩は冷たいけど冷たくない。ガンガン進む!手の温度と岩の温度に差があり過ぎるのかフリクションが悪いというかぬめる。それでも行ける!よし!アンダーからの遠い一手を出す瞬間、思いっきりスリップした。もう終わりかって思ったけど、前半で落ちたからそんなに疲れてない。最後の最後に、もう1回トライすることにした。

3回目。体は軽いし動きもいい!そんなに寒くもないしいい感じ!ガバで最速クリップして、左手チョークアップして深呼吸、右手をチョークアップして脱力、ふぅ〜。両手で待ってるガバ棚に足を上げて、遠いアンダーを取りに行く。

瞬間に

バキッ!!!

ホールドごと落ちた! 落ちていく岩を見ながらビレイヤーには当たってないのが見えた…。

しばらく理解できずに放心状態

ああああー!!! なくなったー!!!
もう登ることができなくなってしまった。
ボクの半年間のチャレンジが終了した。

もう絶対に登れる自信があり、ワンチャンスを渇望し、好感触のラストトライ。その最後の最後にホールドが壊れるという絶望的なアクシデント。
やり切れない思いはあるが、それが自然か。

この喪失感は、しばらく消えそうにないが、しっかり体を休めて次に向かっていこうとは思っている」


地面に落ちたホールド

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