ジェシカ・ピルツ、オリアナでPapichulo(9a+/5.15a)完登

planetmountain.com  訳=羽鎌田学
写真=Toni Mas Buchaca

もっぱらコンペクライマーとして知られるオーストリア人女性クライマー、ジェシカ・ピルツがスペイン、オリアナで自身初となる9a+ルート、Papichuloをレッドポイントした。

28歳になる11月22日の誕生日をほぼ一週間後に控えた11月14日午後、ジェシカ・ピルツは、2024年夏のパリ・オリンピックで銅メダルを獲得したコンペでの調子の良さを岩場でも発揮し、彼女にとってこれまでで最もハードなスポートルート、スペインのオリアナにあるPapichulo(9a+)を再登した。ジェシカは、2008年にクリス・シャーマによって初登された長さ45mのスタミナ全開のこのルートをわずか6日間という驚くほどの短期間で登り切り、岩場で彼女の登りを見上げる人達はもちろん、彼女自身をも驚かせた。

彼女は、レッドポイント翌日次のように語った。

「スペインに着いてからは、2日登っては1日レストというペースで登ることにしました。初日の11月7日は、ボルダーチックな最初のパートを触ってみたのですが、ルートの残りの部分は濡れていました。そこで、オリアナの壁とルートの長さに慣れておきたかったこともあり、比較的乾いていた唯一のルートだった8cのAmerican Hustleにトライすることにしました。

そのルートはその日の2度目のトライでレッドポイントし、翌日2日目には、本来の目標であるPapichuloの下部の核心と第2の核心の最初のパートにトライしましたが、その段階ではルートの上部はまだ濡れていました。3日目には第2の核心のすべてのムーブをなんとかこなすことができ、第3の核心にもトライできましたが、最上部のホールドはまだ濡れていました。4日目になって、ようやく終了点までのすべてのムーブを確認することができて、やっと文字通りのレッドポイント・トライを始める準備が整いました。

5日目には、最初は2番目の核心で、次には3番目の核心で、それぞれ一回ずつ落ちてしまいました

翌日6日目は午前中の早い時間にトライしたかったのですが、朝からあまりにも暑かったので、午後になってコンディションが良くなるまで待つことにして、結局夕方の4時に登り始めました。まだルートに陽は当たっていましたが、それでもレッドポイントには十分なコンディションでした。正直言うと、特に前日の5日目のトライで上部のパートのムーブをつなげるのに必死になってあまりにも疲れていたので、まさか昨日(6日目で)完登できるなんて全く考えていませんでした」

前述したように、ジェシカ・ピルツにとってPapichuloは初めての9a+ルートとなったわけだが、同時にこれを登ったことで、彼女は9aグレードをスキップしたことになる。

同一カテゴリの最新ニュース