ジュリア・シャヌルディ、女性4人目の9a+/5.15a完登者に

2020.3.17 planetmountain.com 訳=羽鎌田学

昨年のトゥールーズ・オリンピック予選で2位となり、フランス代表となったジュリア・シャヌルディ(23)が先週、南仏の静かな岩場サンレジェでSuper Crackinetteを登り、彼女にとって初めてとなる9a+ルートをゲットした。

Super Crackinetteは、2016年にアレックス・メゴスによってフリー初登されたルートで、2018年2月にはアダム・オンドラがクライミング史に残る偉業、9a+の初フラシュに成功したルートでもある。そんなルートをジュリア・シャヌルディは17日間に渡るトライの末に見事レッドポイントし、超高難度ルート(9a+以上)を登った数少ない女性クライマーの一員となったのである。

今回彼女が名を連ねたグループの他のメンバーは3人、アメリカのマーゴ・ヘイズ(La Rambla, Realization, Papichulo)、ベルギーのアナック・ヴェルホーヴェン(Sweet Neuf, Joe Mama)、そしてオーストリアのアンゲラ・アイター(La Planta de Shiva)。アイターは9bを登った唯一の女性クライマーでもある(実は9a+は登っていない)。

以下はシャヌルディへのインタビュー。


Mélanie Cannac

いつ、9a+にトライしようと決めたのですか?何がきっかけでしたか?

昨年の11月にトゥールーズで開催された五輪複合予選会でオリンピックへの参加権を獲得できた後、今度は自然の岩場でクライミングを楽しんでみたくなったのです。それで、パートナーと一緒に、サン・レジェで登ることにしました。正直言って、初めは9a+にトライすることは私のプランには入っていませんでした。でも友達がSuper Crackinetteにトライするのを見ていたら、私もやってみたくなったのです。

で、ルートの第一印象はどんなものでしたか?

パワフルで素晴らしいルートでした。そうとわかった以上、なんとしてでもレッドポイントしてみたくなったのです。形状が多彩なホールドを使いグイグイ登っていく、実にハードなルートでした。

いつ頃、レッドポイントトライを始めましたか?トライは順調でしたか?

始めてルートに手をつけたのは、1月の中旬、ちょっとした寒気が来ている頃でした。 トライを始めるとすぐに、それぞれのムーブがわりと楽にこなせることに気がついたので、わりと早い段階にレッドポイントを狙うようになりました。

ルート上に、核心は2ヵ所ありました。最初の核心は、連続する極小エッジを耐えに耐えて登った後に、遠い1本指のポケットを取るところでした。そこで何度も落ちて、やっと最初の核心をこなせるようになったと思ったら、第二の核心が待ち構えていました。普通はダイノ気味のムーブをこなすところでしたが、別のシークエンスも可能だったのです。それは非常に細かなエッジを繋げていく、指の強さがキーとなるシークエンスでした。幸いに、この方法が私には合っていたのです。でも、もちろんそこで何度も何度も落ちました。正直なところ、フィジカル面というよりもメンタル面でハードな闘いとなっていたからだと思います。

レッドポイントした当日、成功の予感はありましたか?

直前の数週間はトライごとにもう少しという感じだったのですが……。でも登れた日は、あらゆるものが完璧でした。川岸に張ったテントで夜を過ごし、朝早く起きて素早くウオーミングアップをこなし、持てるもの全てをぶつけてトライしたのです。それはもう全身全霊をかけた闘いでした。

この夏にはTokyo 2020が待ち構えています。どのように臨みますか?

Tokyo、そして2020という2つの単語を耳にしたり、目にしたりした時、可能な限り強いクライマーになるために、そしてオリンピックで最高のパフォーマンスを発揮するために、もっともっとハードなトレーニングをしたくなります。実に素晴らしい経験になることは間違いないでしょう。本当に楽しみです。


トゥールーズでのシャヌルディ Eddie Fowk/IFSC

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