ラウラ・ロゴラ、Erebor完登で、9b/+を登った史上初の女性クライマーとなる

desnivel.com 訳=羽鎌田学

20才の若きイタリア人クライマーは、自国最難ルートを第2登し、女性クライミング史に新たな1ページを刻んだ。

彼女が再登したEreborは、数あるイタリア、アルコの岩場のひとつ、セクター・エレモ・ディ・サン・パーオロにあり、ステファノ・ギゾルフィがセヴェリーノ・スカッサの協力のもとにボルトを設置。2021年1月11日に、ステファノ自身が初登し、9b/+ (5.15b/c)とグレーディングしたルートである。

2001年生まれのラウラ・ロゴラは、この10月早々にEreborの第2登に成功し、グレードを追認。これによって世界で初めて9b/+を登った女性クライマーとなった。思い出すべきは、ラウラは2020年7月にスペイン、ロデジャールのアリババケイブで彼女にとっての1本目の9bとなるAli Hulk Extension Total sit startをRPし、9bを登った世界で2人目の女性クライマーとなったことである。

 
 
 
 
 
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今回のErebor完登で、彼女は計15本の9台ルートを登ったことになる。そのうちの3本は9a+とされ、3本とも彼女が現在居を定めるアルコ周辺の岩場にある。2020年5月に登ったPure Dreaming Plus、同年11月に登ったThe Bow、そして2021年4月に登ったTerapia d’Urtoである。最後の2本はともに、Ereborと同様、ステファノ・ギゾルフィによって初登され、やはりラウラが1人目の再登者となっている。そんなステファノは、SNSを通じ、自分自身の限界を乗り越えるために頑張り続けるようにとラウラにエールを送っている。

「ラウラ、Bibliographieが(Ereborに比べて)特段難しいということでもないよ。もし来年の夏のバカンスの目的地をまだ決めていないのなら、(セユーズも)お勧めのひとつだな」

現時点でラウラ以外で、9b相当のルートを登っている女性クライマーは世界で2人。1人はオーストリアのアンゲラ・アイター。彼女は2本の9bを登っている。1本目は、2017年10月にスペイン、ビジャヌエバ・デル・ロサリオで第3登したLa Planta de Shiva。2本目は、2020年12月に地元オーストリア、イムスト近郊の岩場で初登したMadame Ching。このルートには、まだ再登者が出ていない。もう1人はフランス人女性クライマー、ジュリア・シャヌルディ。彼女は、2020年11月に南仏のサン・レジェ・デュ・ヴァントゥーでEagle-4を第3登している。

さてラウラは、ここ数ヵ月めっぽう調子がいいようだ。その証左として、直近の9月27日には、やはりアルコの岩場ブス・デ・ヴェーラでIron Manを初登し、彼女自ら9aとグレーディング。また不本意な成績に落胆した東京オリンピックから帰国直後の8月には、その悔しさを晴らすために空港からリエーティ県グロッティ村近くの岩場へほぼ直行。2年前の初トライ時には1ヵ所でリーチ不足に涙を呑んだ、やはり9aのCamoを、時差ぼけと36度の気温を吹き飛ばして、今回2回目のトライでRPしている。

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