ニコライ・ウシュニック、マルタタールで9A/V17課題、Mount Doom初登

planetmountain.com
訳=羽鎌田学

2000年生まれで現在24歳のニコライ・ウシュニックは、イタリアとスロベニアの2ヵ国と国境を接するオーストリア最南部のケルンテン州にあるマルタタール渓谷で9Aのボルダー課題、Mount Doomの初登に成功した。

8a.nuにアップされた完登直後の彼とのやり取りによると、Mount Doomは、それ自体が8B+/Cとされる8~9ムーブからなる最初のパートから、既存の課題Hide and Sick(8B+)に入り、これを登って終了とする課題である。ニコライは、2020年6月にHide and Sickを登り、その後2021年から、そのシットスタート版とも言えるMount Doomのトライを始めた。そしてこの1月にHide and Sickのスタート(スタンド)までの新たに追加した最初のパートに成功し、3月1日、それにHide and Sickを繋げてすべてのムーブをこなし課題全体を足元にした。8〜9回のセッションが必要だったという。

ニコライ・ウシュニックは、経験豊富なコンペクライマーで、2022年8月にはドイツのミュンヘンで行われたヨーロッパ選手権ボルダーで金メダルを獲得している。またアウトドアでは、やはりマルタタールにある8C+のEmotional Landscapesを含む数多くの8C課題を登っている。

今回初登したMount Doomは、間違いなく彼にとっての最難課題であり、そのグレードが確定された暁には、世界最難ボルダー課題(9A/V17)を登った世界トップクラスのクライマーの一員となるだろう。

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