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ロイック・ゼアニ、南仏のオルゴンでLes Affranchis 9a+/b(5.15a/b)を初登
fanatic-climbing.com 訳=羽鎌田学 写真=Julia Cassou
先日、弱冠19才ながらプロバンスを代表する外岩クライマーであるロイック・ゼアニは、南仏の歴史ある岩場オルゴンのセクターカナルで、既成の2本のルートを結びLes Affranchisと名付けたルートの初登に成功。彼がつけたグレードは9a+/b。
――どんなルートですか?
Les Affranchisは、Sachidananda(9a+)の下部と左隣のLe Bronx(8c+)の上部をリンクさせたルートです。以前に自然な感じで繋げることができるかをみるために2ルート間に一本のボルトを打ったのですが、もちろん繋げられない場合には、追加したボルトは抜くつもりでした。両ルートともオルゴンのカナルでは歴史的な価値をもち、それにやたらに手を加えるようなことはしたくなかったからです。でも運よく、ボルダーグレードで8Aぐらいのハードな3ムーブのトラバースで、2本のルートをリンクさせることができたのです。
このトラバースのセクションの前にも、やはりボルダーセクションがあります。それは最初のSachidanandaの核心で、本来なら左手3本指で保持するホールドを、リンクさせるために右手で捉えなければならないのですが、そのせいでもっとハードになっています。
大雑把に言って、アプローチとしてルートグレードの8aに相当する6ムーブを登り、それに7C+のボルダーセクションが続き、そしてリンク部の8Aをこなして、Le Bronxに入るのです。そこまででトータルで20ムーブあって、9a/a+ぐらいはあるでしょう。Le Bronxに入ってからは終了点まで、8b+相当になる18ムーブをこなします。この部分、終了点手前のホールドが欠けて少し難しくなっています。ですから、全部で38ムーブの超フィジカル、かつレジスタンス系のルートになっています。
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――レッドポイントまで、どのくらいの時間がかかりましたか?
レッドポイントした日の10日前には終了点目前まで迫っていたのですが、最後のムーブで落ちてしまいました。去年の秋にSachidanandaからLe Bronxを横切って、そのまた左にあるMacumbaに繋げる9a+/bのDémonを初登したのですが、その時Le Bronxまでの20ムーブを下から繋げてこなせるようになるのに10日ほどかかっています。それにプラス10日ぐらいでしょうか。
今週はコンディションが良かったのですが、それよりもレッドポイント当日、正直言って全く期待していなかったので、プレッシャーを感じることもなく登れたのが良かったのでしょうね。
――次の目標は?
カランクのラ・グロット・ドゥ・ルルスにあるElectomanです。でも春になって気温が上がり始めたので、シーズン的に手をつけるのはちょっと遅いかもしれません。古くからあったプロジェクトで2015年にレミー・ベルガッスが初登し8c+としたルートですが、核心のホールドが欠けて難しくなっているのです。他には、オルゴンのキャンプ場の奥にあるセクターに9a+ぐらいはありそうな完全にナチュラルな未登のラインがあるのですが、それが気になっています。
この冬は、リュサンのケイブにある9a+/bのLes Yeux Plus Gros que l’Antreにもう一度トライしに行けなかったのは残念でした。あと、ビュークスにあるビッグプロジェクト、Bombé Bleuのトライにも行けなかったのですが、まあこのプロジェクトは指に最高に悪くて、最初のムーブからしてできないので、まだまだ先の課題だとは考えています。
それ以外に、カナルでは、 Macumba Clubの去年ボルトを打ったエクステンションにトライしています。9a+ぐらいはあるでしょう。その他、サン・レジェにも、もう一度行ってみたいですね。8c+のl’Idéal Chimériqueのフラッシングとか、8b+のLe ConceptやLe Nababとかのオンサイトに挑戦してみたいのです。
という具合に、登ってみたいルートは山ほどありますよ!