パラクライミング世界選手権 日本チームが金2個、銅1個を獲得

文=蓑和田一洋

パラクライミング世界選手権モスクワ2021が、9月15日から17日にロシア連邦モスクワ市で開催され、日本勢はB1クラスの會田祥が1位、B2クラスの濵ノ上文哉が1位、AL2の結城周平が3位、B3クラスで蓑和田一洋がマスター1位となり、日本チームは金メダル 2個、銅メダル 1個を獲得した。

この世界選手権は2年に1回開催されるもので、パラクライミング競技でもっとも権威のある国際大会。第7回となる本大会には、約20カ国、合計約120人のパラクライミング選手が参加し、日本からは8人の選手が競技に挑んだ。

大会の開催にあたって、世界選手権としては初めて専門の医師らが障害の程度によるクラス分けを実施。結果、會田が視覚障害男子B2から男子B1へと、より重たい障害のクラスへと変更されるなど、日本人選手にもクラスの変更があった。

予選は15日と16日にCSKA体育館で開催。視覚障害の男子B3は、4ヶ国6人以上という規定の開催人数よりも参加人数が1人少なかったため、この予選のみでマスター大会として順位が決定され、蓑和田がルーマニアのコスミンとともに1位となった。

視覚障害 男子B3でマスター一位となった蓑和田一洋

17日の決勝は、モスクワを代表する体育館であるパレス・オブ・ジムナスティックス・イリナ・ヴィネル・ウスマノバで行われた。

會田はクラス変更によりアイマスクを着けての競技となったが、視覚障害クラスでただ一人の完登で優勝。視覚障害の男子B2の濵ノ上は最上部に迫る粘りでやはり優勝を決めた。下肢機能障害の男子AL2の結城周平も、強豪のなか3位となり、初のメダル獲得となった。

視覚障害 男子B2で優勝した濵ノ上文哉

なお、會田は前回の2019年フランス・ブリアンソン大会につづく2大会連続の優勝。ワールドチャンピオンシップでは5大会の優勝を達成した。

本大会はコロナ禍にあって日本からは例年より少ない8人の参加。あわせて各国の競技レベルも向上するなか、メダル3個獲得と好成績を残す結果となった。

日本人全選手の結果

視覚障害:
男子B3 蓑和田 一洋 (ナビゲーター會田亮子)マスター1位
男子B2 濵ノ上文哉(ナビゲーター田中星司)1位
男子B1 會田祥(ナビゲーター宮本容幸)1位
男子B1 小林幸一郎(ナビゲーター白井唯)5位

機能障害:
女子RP3/AL2 渡邉雅子12位
男子AL2 結城周平3位
男子RP3 安良岡伸浩5位
男子RP2 岡田卓也9位

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