平出和也と中島健郎が、カラコルムの名峰ラカポシ(7788m)を南面新ルートから登頂

写真・情報提供=RAKAPOSHI EXPEDITION 2019

2019年7月2日現地時間正午、平出和也と中島健郎が、パキスタン・ラカポシ(7788m)南面の新ルートから登頂を果たした。

行動概要は次のとおり。6月16日、ラカポシ南面のダニョール谷BC(3660m)入り。高所順応は4500m、5900mで各1泊のみ。BCで1週間天候待ちした後、頂上アタックへ。6月27日C1(5200m)、28日C2(6200m)、29日C3(6800m)、30日と7月1日はC3で天候待ちとなったが、2日に頂上を往復、3日にBCに戻った。

今年6月のパキスタン北部の天候は、例年より悪かったようだ。登攀中、降雪に見舞われたが、「6800m(C3)で3泊して粘った甲斐がありました」。ラカポシ南面のダニョール谷から入った登山隊は初めてとあって、登攀後は地元住民から温かい歓迎を受けた。

なお、平出・中島ペアは当初、ヒンズークシュのティリチミール(7708m)を計画していたが、許可が下りなかったため、ラカポシに転進。「フンザの街からあれほど目につく美しい山なのに、南面はまだ手つかずだったので、代替案として考えていました。南面はセラックや雪が多く(実際、今回の行動中も雪崩やセラック崩壊があった)、昔は登れる対象とは見られていなかったと思います。たしかにフィックスを張るには向かなそうですが、アルパインスタイルだとリスクを十分コントロールできました」(すべて中島談)

*ラカポシ…パキスタン北部、ギルギット地方の高峰。1958年に南西稜から初登されて以降、北西稜・北稜などから約7登を数えるのみ。南面からは今回が初。
*平出・中島ペア…2017年、同山域のシスパーレ(7611m)北東壁を初登攀し、2018年のピオレドールを受賞している。

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