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アレックス・メゴス、セユーズでクリス・シャーマのプロジェクト、Ratstaman Vibrations（9b）初登
写真＝Jan Virt
Planetmountain.com 訳＝羽鎌田学
熱波の影響でフランス・セユーズでも稀な気温の高さにもかかわらず、ドイツ人クライマー、アレックス・メゴスは、同岩場のセクター、ファス・ドゥ・ラで、長い間待ち望まれていたRatstaman Vibrationsの完登を達成した。そして彼は、9bルートの一本であることを保証すると口にした。
このプロジェクトは、10年程前にクリス・シャーマが興味深いことにグランドアップでボルトを打ちトライしたもので、核心のひとつである極めてジムナスティックなスタートのパートから、クリス曰く「ポケットが連続する素晴らしい散歩道」を登っていくのが特徴である。その後は長い間休眠状態で取付くクライマーもいなかったが、2年前に裸足のボルダラー、シャルル・アルベールと最強の外岩クライマーのひとり、セブ・ブワンが一緒にトライし、再び注目を浴びるようになった。
アレックスは2014年にはこのプロジェクトの存在に気づいていたが、2020年にBibliographie（9c→9b+）を初登した後に、初めて具体的なターゲットとして定めた。昨年は2日間のトライでルートを3つのパートに分けて登り、今夏に再訪。先ずはリード・ワールドカップ・シャモニー大会後に5日間過ごして完登目前に迫り、続いて同ブリアンソン大会出場後のトライで、遂にレッドポイントに成功した。
1993年生まれで、この8月には29才になるアレックスは、2014年にはBiographie（9a+）を一日でRPした初めての、そして目下唯一のクライマーである。そんな彼は、今回初登したルートについて「これまでに登った、またはトライした9bレベルのルートの中で、確実に最高の一本」とコメントしている。
