ヤニック・フロヘー、クレシアーノでReturn of the Dreamtime 8C+初登

planetmountain.com
訳=羽鎌田学

ドイツ西部の都市エッセン生まれのヤニック・フロヘー(23)は、クレシアーノで最も有名なボルダーのひとつ、伝説的な課題Dreamtime(8C/V15)があるボルダーに、新課題Return of the Dreamtime(8C+/V16)を付け加えた。

彼が初登した新しい課題は、言いようによっては古くからあるプロジェクトなのだが、今ではテストピース的課題となっている2000年にフレッド・ニコルが登ったDreamtimeとスタートを同じくする。しかし、Dreamtimeではランジを決めた後、左に進んでいくところを、新課題では右方向へと進み、8BとされるSomnolenceの核心を登っていく。ヤニックは、「スローパーを使った大きなムーブを汗ばんだ手の皮とパンプした前腕でこなすのは、スタートから繋げていくとかなりハード」と説明する。

 
 
 
 
 
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ヤニックによれば、2020年にDreamtimeを短時間で再登して以後、散発的にこのプロジェクトにトライして来て、この1月にわずか2回のセッションで完登に成功したようだ。「新たな課題を付け加えることができて爽快です。特に、これが私にとって初めての初登で、おまけに、このような素晴らしいボルダーでそれができたのですから」と述べている。

ヤニックは新課題を8C+とグレーディングしているが、そのグレードに関係なく、伝説的な課題Dreamtimeや前述のSomnolenceの他に、ジュリアーノ・カメローニが2019年に初登したREM(8C+)にも触れることができるというロケーションから、ここが世界のトップ・ボルダラーがこぞって訪れるボルダーになることは確実だろう。

この12ヵ月間で、ヤニックは、丁度1年前に登ったバヴォーナ渓谷にあるOff the Wagon Sit(8C+)を手始めに、先日1月24日にはキロニコでFrom Dirt Grows the Flowers(8C)とEphyra(8C+)の2本を1日のうちに連続して完登するなど傑出した成果を挙げ、その実力を大幅にアップさせた。彼は、昨年2022年にはボルダリングワールドカップ・ブリクセン大会で優勝し、それ以前2019年には日本の八王子で開催されたIFSCクライミング世界選手権のボルダリングで銅メダルを獲得している。

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