山野井泰史さんを描くコミック『THE ALPINE CLIMBER 単独登攀者・山野井泰史の軌跡』第1集が刊行

小学館『ビッグコミック』で連載中の『THE ALPINE CLIMBER 単独登攀者・山野井泰史の軌跡』の第1集が6月30日に刊行された。世界の第一線で長らく登り続けてきた山野井泰史さんについては、自身の手記『垂直の記憶』をはじめ、『ソロ』(丸山直樹著)や『凍』(沢木耕太郎著)などの評伝でも知ることができるが、本作では、新たに本人や関係者への取材を行ない、本邦初公開となるエピソードも多数収録される。

第1集では、登山を禁じる父親と取っ組み合いのけんかになり、山岳会に入ることになる中学時代のエピソードから、学校とバイトのかたわら、寸暇を惜しんでトレーニングと山行に明け暮れる高校時代までが描かれる。漫画ならではの情景描写や、生き生きとしたストーリー展開に引き込まれる。

それにしても、アルパインクライミングが盛んだった80年代とはいえ、これだけ足繁く山に通う高校生などほかにいただろうか。あらためて、山にかけるその膨大な熱量に圧倒される。今後も楽しみなクライミング漫画の始まりだ。

(山と溪谷2022年7月号より転載)

書誌情報

『THE ALPINE(アルパイン) CLIMBER(クライマー) 単独登攀者・山野井泰史の軌跡』
第1集
原作:よこみぞ邦彦/作画:山地たくろう
発売日:2022年6月30日
発行:小学館
定価:715円(税込)
(『ビッグコミック』にて好評連載中)

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