ザック・ガラがThe Process V16、待望の第2登

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訳=羽鎌田学

 
 
 
 
 
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2月下旬、米国人ボルダラー、ザック・ガラがカリフォルニア州ビショップのバターミルクで、ハイボール・ボルダー課題、The Process(V16)の第2登を達成した。この課題は、エリアのシンボル的存在、グランパ・ピーボディ・ボルダーにある複数の高難度課題のひとつであるが、2015年初めにダニエル・ウッズが初登して以来、10年近く再登されていなかった。(当時V16は世界に2~3本しかなかった)

このThe Processは、数枚積み重ねたパッドの上からスタートし、シャープなエッジを使って被った岩を登る、V13課題であるBlood Meridianのエクステンションである。壁の途中でBlood Meridianが終わった後、一層シャープなエッジが最後のリップへのダイノまで続く別のV13とされるパートが追加され、そのダイノでは、地面を遥か下に見ながら体の派手なスイングに耐えなくてはならない。その後、傾斜は次第に緩くなるとはいいながらも、地面からおよそ6m以上の高さのところで、それまでよりは少し簡単ではあるがV10はある一連のムーブをこなして上部緩傾斜帯まで登り続けなければならない。

ザックは、今回The Processを再登する以前、2022年12月には、Blood Meridianをフラッシュし、個人的にV12とグレーディングしていた。彼は、今年2月中旬にバターミルクを再訪し、The Process再登に時間を費やす傍ら、グランパ・ピーボディの岩のもうひとつの有名な課題であるEvilution Direct(V11)にも取り組んでいた。

インスタグラムで彼は次のように語っている。

「課題を足下にして岩のトップに立った時の感覚は、それまでは味わったことのないものだった。リップのホールドを捉え、そして自分自身を落ち着かせた後は、まるで外界から隔絶された自分だけの世界にいるような気分で、重要なのは次のムーブだけだった。それは他の課題では決して経験したことのなかった、100%の真の集中状態だった。ダニエル・ウッズが9年前にこのメンタル的、かつフィジカル的なテストピース課題を初登したあの時、彼はまさに時代の先端を行っていたのだ。彼に心から敬意を表する。そして、何が可能なのかを私に示してくれたことを感謝する」

ダニエル・ウッズが初登して以来、課題の幾つかのホールドは何度も壊れては接着されて、元通りに直されているのだが、ホールドの崩壊前よりも今のほうが難しいと考えるかと問われると、ザックは「聞くところによると、少し難しいらしい」としながらも、「崩壊後にしかトライしていないので、両者を比較することはできない」とも語った。

ザック.・ガラは最近絶好調で、The Process再登前の5ヵ月間でV15を4課題とV16のSleepwalker*を登っている。彼が初めてV16を登ったのは2021年で、その課題はユタ州リトル・コットンウッド・キャニオンにあるGrand Illusion。それは同課題の第5登でもあった。

*SleepwalkerはV15との意見もある。

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