The North Face Cup 2018 本戦、Climb Park Base Campで開催

文=平山ユージ 写真=Eddie Gianelloni

各地の地区予選に参加した総勢2100名の中から勝ち上がってきた643名の選手によって3月10日、11日の二日間Climb Park Base Campで熱戦が繰り広げられた。

初日は全Divisionの予選、二日目にそこから勝ち上がった各Divisionの202名によって準決勝、決勝が行なわれた。 初日に驚いたのは、1日を通して信じられないほどの観客が訪れるようになったことで、予選で急激な来場者の増加を感じた。そんな中で行なわれた男女Division 1の予選だが、男子は楢崎智亜、チョン・ジョンウォン、杉本怜が同スコアで一位。女子は伊藤ふたば、野口啓代、野中生萌が全完登で予選を通過した。そんな彼らに対し男女共にワールドカップやBJCで活躍する新旧の国内最強クライマーたちとゲストのペトラ・クリングラー(スイス)が続いて予選を通過した。

そして迎えた準決勝、20名の女子 Division 1は日本代表やユース代表が上位を占めたが、7位の伊藤ふたば、8位加島智子は惜しくも決勝に進むことができず、野口啓代、谷井菜月、ペトラ・クリングラー、田嶋あいか、工藤花、野中生萌が決勝に残った。
一方、20名の男子Division 1では昨年の代表組が力を発揮し上位を占めたが、7位のチョン・ジョンウォン、8位石松大晟は決勝に進むことができず、原田海、藤脇祐二、渡部桂太、杉本怜、山内誠、楢崎智亜が決勝に駒を進めた。

決勝は国内最高レベルのセッター陣にマニュー・ハスラーがスイスより加わり、課題はとても見ごたえのある設定となった。女子1課題目はBlue Pillで作られた課題で、見事に完登した野口、谷井、クリングラー、野中が2課題目に進めた。2つ目のPusher課題は最後の体を折りたたむムーブを見事にこなし完登した野口、野中が3課題目に進んだ。Squadraで作られた3課題目は二人とも完登。続くスーパーファイナル360でも二人が一撃したが3課題目で野口が2撃、野中が一撃とカウントバックにより野中の優勝となった。


決勝課題を登る野中生萌

一方、男子は360が印象的な1課題目を高度差で原田、藤脇、杉本、楢崎が突破。Flatで作られた2課題目は原田と藤脇が見事な完登で最終課題に駒を進め、最終課題では未だかつて記憶にないほどの声援を背にした藤脇の素晴らしいクライミングと見事なキレのいい動きで一撃をした原田の登りがとても印象深い。そして一撃で最終課題を制した原田の初優勝が決まった。


決勝課題を登る原田海

Division 4から少しずつ昇格してきた原田のDivision 1優勝や、常に関西の地区予選で一位通過していた藤脇の準優勝は我々ONEboulderingとして、とても嬉しい。そして女子の野口と野中の力強いファイナルでのガチンコ勝負も大変見応えがあった。 大会を通して、今年も日本の選手たちから目が離せないと思わせるThe North Face Cup 2018であった。

リザルト

女子D1

1 野中生萌
2 野口啓代
3 谷井菜月
4 Petra Klinger
5 田嶋あいか
6 工藤 花

男子D1

1 原田 海
2 藤脇祐二
3 杉本 怜
4 楢崎智亜
5 渡部桂太
6 山内 誠

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