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緒方・野口が優勝、The North Face Cup 2019本戦

2019年3月12日

文=植田幹也  写真=©ONE bouldering/山本浩明

2019年3月9日、10日にThe North Face Cup 2019の本戦がClimb Park Base Campにて開催された。各地の予選を勝ち抜いてきたクライマー達に加えて国内外から豪華なゲストクライマーも多数招待され、更に場内には華やかな桜の花の演出も加わり、例年以上に規模も大きく豪華な大会となった。

初日に予選、2日目に準決勝・決勝がおこなわれ、男女のトップクラスであるDivision1(D1)とWomen’s Division1(WD1)では準決勝には20名、決勝には6名が進出した。

WD1の準決勝には上位層は前評判通り勝ち進み、そこに中川留、菅原亜弥、野部七海、伊東そらなど最近めきめきと力を付けつつある若手も何名か進出。海外ゲストである韓国のキム・ジャインとシンガポールのヴァネッサ・テンも順当に予選を突破した。

課題の強度がグッと上がった準決勝はやはり野中生萌と野口啓代が頭一つ抜けた力を見せつけ、全8課題中この2選手だけが7完登しゾーンの差で野中が首位。その後には菅原が6完登で3位に位置付ける大躍進で初の決勝へ。残る3枠には伊藤ふたば、森秋彩、田嶋あいかが入り込み、キム・ジャインはゾーン1つに泣き惜しくも7位で通過ならず。

迎えた決勝の1課題目は青と白のハリボテがふんだん使われ、さらにダイナミックなムーブも含まれているまさに今風の課題。この課題は菅原のみが出だしのランジを捉えきれずここで脱落。他はアテンプトこそかかった選手もいたものの5人とも完登し、決勝はサドンデス方式だが完登者は全員2課題目に進出した。

2課題目も黄色のハリボテで構成されランジが含まれる1課題目と雰囲気は近しい内容。しかしラストはわずかなキャッチが下面のみに付いた球体ハリボテを抑え込んでゴールに飛び付くという非常に高い強度のムーブが待っている。この最終ハリボテを抱え込むパートまで辿り着いたのは伊藤と野口のみでありこの2名が最終課題へ。野口は唯一ゴールをタッチしたが身体をコントロールし切れず掴めなかった。野中はトライ中に左肩を痛め残念ながら途中で棄権。

最終課題は黒のスローパーピンチが並ぶこれまでの課題とは様相をはっきりと変えた力強さを要求する完全な真っ向勝負系。伊藤は善戦するも3つ目のホールドを取りに大きく飛び出すムーブが成功させられない。対して野口はやはり地力があり、この伊藤が落ちたパートは難無くこなしここで優勝を確定させた。その後お馴染みの観客を煽るパフォーマンスも入り完登を目指すもゴール1つ前を捉えることができなかったが、堂々の優勝。本人も数えきれていないほどThe North Face Cupで優勝をしている野口だが、年齢を重ねてもその進化は止まらず、先日のリードジャパンカップでの優勝も含め絶好調であることを見せつけた。


女子優勝の野口啓代

D1は大注目の世界最強クライマーであるチェコのアダム・オンドラが体調不良で出場辞退というハプニングがあったが、他の選手だけでもワールドカップの様な層の厚い面々。そんな中で竹田創、坂本大河などの新しい顔ぶれが見事に準決勝の20人の枠に入り込み、一方でゲストクライマーの生けるレジェンドであるオーストリアのキリアン・フィッシュフーバーは残念ながら予選落ちであった。

準決勝は更に高グレードな課題が8つ並んだが、藤井快、緒方良行、韓国のチョン・ジョンウォンのフィジカルに優れる3名がしっかりと全完登。続いて原田海が7完登し4位、楢﨑智亜が6完登ながら全ゾーン獲得で5位通過。残る1枠には井上祐二、土肥圭太、川又玲瑛が6完登の同成績で並んだが予選のカウントバックで井上が決勝進出を決めた。川又はボルダリングジャパンカップに続きまたしても決勝進出を逃したが、安定してトップ層に渡り合う力を付けている。

決勝1課題目は青いハリボテが連なり、出だしの横っ飛びで2つのハリボテを抱え込むパートからいきなり高い強度となっている。このパートを突破できたのはこの類の動きに強い楢﨑と緒方のみだが2選手も完登はならず。残る2人は準決勝のカウントバックでジョンウォンと藤井が入った。

2課題目は白とグレーの課題であり、白い半円状の巨大ハリボテをアンダーかプッシュで保持してゴールに飛び出す1手にほぼ強度が集約されている課題。この課題は4選手とも核心のゴール取りには達するものの、要求水準が非常に高くいずれの選手もここを突破できず。ファーストトライでこの高度に到達した緒方とジョンウォンが最終課題への進出を決めた。


緒方良行(左)とチョン・ジョンウォン(右)

最終課題は最近のコンペお馴染みの扇形の角ばった黄色いハリボテが並ぶ課題であり、こちらもパワーとダイナミックさが求められる。最初にトライしたジョンウォンは持ち前の高い集中力でゴールの大クロスもきちんと捉え、この課題を1撃し緒方にプレッシャーを与える。緒方は当然ジョンウォンの完登を分かっていたが、課題が得意系であったこともあり気迫で同様に1撃。ゴールを取った瞬間に叫び声を上げ、この大会にかける意気込みを見せ付ける。

スーパーファイナルも最近よく見るようになった木製にブルーのフリクション面が付いているホールドから始まり、上部にはグレーのハリボテが配置された力強さと難解なムーブ読解を求める課題。ジョンウォンは出だしのコーディネーションン気味のムーブに何度もトライするが結局止められない。続いた緒方は持ち前の驚異のピンチの保持力と高い運動能力でこのパートを1度目のアテンプトで乗り越え、この時点で見事優勝を決める。上部が解決できず完登はならなかったが、この非常に厚い選手層の中で高いポテンシャルを見せつけての優勝となった。緒方は実績もあり、選手の間でもその潜在能力が恐れられる存在だが、近年のコンペでは思うように成績が安定しないこともあった。しかし今大会では常に他の選手を引き離すパフォーマンスを発揮し、一段階上のレベルのクライミングを見せた。


男子優勝の緒方良行

日本の男子ボルダリング界はますます実力伯仲で混戦を極めるが、そんな中で緒方がその地力を今後も見せつけていくか注目である。


男子表彰台

女子D1

1 野口啓代
2 伊藤ふたば
3 野中生萌
4 森 秋彩
5 田嶋あいか
6 菅原亜弥

男子D1

1 緒方良行
2 チョン・ジョンウォン
3 楢崎智亜
4 藤井 快
5 原田 海
6 井上祐二

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