男子コンバインド決勝 楢﨑智亜メダル届かず

文=北山 真 写真=IFSC 

2021年8月5日、東京五輪のスポーツクライミング・コンバインド男子決勝が青海アーバンスポーツパークで行われた。

一種目目スピードでは、昨日のリードで腕を痛めたバサ・マウェムが欠場、アダム・オンドラがラッキーな不戦勝となった。

この日のハイライトは実質ファイナルともいえる楢﨑智亜 VS ミカエル・マウェムのセミファイナルでの対決。ところがミカエルは2回もスリップ。あっけない楢崎のファイナル出場となった。

ファイナルの相手はアルベルト・ヒネス、楢﨑なら9割の力を出せば勝てる相手である。ところが楢﨑がまさかのスリップ。それも出だしの自らあみ出した”トモアスキップ”のパートであった。この楽に1位をとれたはずの2位が最終成績に影響することになる。


明暗を分けたスピードのアルベルト・ヒネス VS 楢﨑智亜

第2種目ボルダリング。1課題目のスラブはやさしく7名が完登。2課題目のコーディネーションはいささか難しすぎで完登はナサニエル・コールマンのみ。3課題目は完全に難しすぎ。一見複雑な内容かと思うが、実質極小クリンプに耐えられるかどうか。結果は完登はなく全員がZone獲得。Zoneの位置があと1手上であれば、成績がばらけたと思われる。

結果はもちろんナサニエルが1位。楢﨑も3位につけた。

第3種目リード。中間部で右に大きく出て、最上では左に出る複雑なラインどりだ。楢﨑は予選の結果により1番手。これはプレッシャーという点でラッキーだと思われた。上部をうかがうあたりでフォール。その後も最上部達する選手が出ない中、最後にヤコブ・シューベルト登場。ミスのない完璧な登りで完登。リード1位で総合でも3位に入賞した。


圧巻の登りを見せたヤコブ・シューベルト

総合優勝はアルベルト・ヒネス、ボルダーで7位と落ち込んだが、リードで4位と巻き返しナサニエルと2ポイント差でも金メダルを手にした。楢﨑は6位となり、総合でヤコブにわずか1ポイント差でメダルを逃した。

金メダルを胸に微笑むアルベルト・ヒネス

リザルト

      S B L 総合
1 アルベルト・ヒネス ロペス ESP 1 7 4 28
2 ナサニエル・コールマン USA 6 1 5 30
3 ヤコブ・シューベルト AUT 7 5 1 35
4 楢﨑智亜 JPN 2 3 6 36
5 ミカエル・マウェム FRA 3 2 7 42
6 アダム・オンドラ CZE 4 6 2 48
7 コリン・ダフィー USA 5 4 3 60

 

同一カテゴリの最新ニュース