Top of the Top リード&ボルダリング頂上決戦

文=北山 真    写真=山本浩明

2021年11月22、23日、葛飾区東金町運動場スポーツクライミングセンターで、日本代表選手によるTop of the Topが開催された。

22日、リード。天気予報は残念ながら曇りから雨天となり、雨はだんだん強くなるという。そこで別々に開催予定だった男子、女子の各決勝を同時に行なうこととなった。

女子準決勝は最後の一手が遠く、谷井菜月が最終ホールドタッチ。森秋彩はその体勢に入ろうとして足がスリップしてしまった。男子準決勝は最後がユニークだった。通常、最終クリップのすぐ隣に最終ホールドあるのだが、このルートは、はるか下にあるサイドプルのホールドから最終クリップを行なうというものだった。結果は大量7人が完登。さらに8位タイが3人いて、計10人での決勝となった。

女子リード準決勝、最上部の谷井菜月

女子決勝では大波乱が起きた。雨のなか、森が完登2手前まで登り、最後に谷井が登場。ところが中間部のやさしいダブルダイノで落ちてしまう。やはりホールドが濡れていたのか? スタッフが確認したところ濡れていないことが判明。しかし主催者側はイコールコンディションでなかったと判断。決勝のラウンドはキャンセルとなり、準決勝の成績により谷井の優勝となった。

男子決勝は、最上部に複雑な形状での右トラバースから始まり、滑りそうなハリボテに足を置き、プッシュなどを使いながら円盤状を持ち、続くアンダーから最終ホールド、といった長い核心が待ち受ける。村下善乙(4:23)と藤井快(4:51)が完登し、タイムにより優勝は村下。村下はこれまで国内ユース大会等で2位、3位には何度も入賞しているが、優勝は初めて。

男子リード決勝の村下善乙

23日、ボルダリング。女子準決勝第2課題がいきなりダブルダイノ、しかも二つのホールドが離れているということで森はゾーンも取れず。これが響き4位となった。松藤藍夢、中村真緒が全4課題完登。男子準決勝では川又玲瑛が、第3課題をただ一人完登し1位となった。結果、2完登4ゾーンの選手6人が決勝に進出。藤井は2完登3ゾーンで8位であった。

女子決勝では、森がなんと第1~第3課題をすべて一撃。第4課題を待たずして優勝が決まってしまった。松藤が2完登で2位、倉菜々子が1完登で3位となった。

女子ボルダリング決勝で第1~第3課題を一撃した森秋彩

男子決勝は第1課題コーディネーションを緒方が瞬殺。第2課題の上部3連続スローパーも、緒方のみが3回、最終ホールドに達する。しかしこれを完登できなかったことで緒方は失速していく。3課題目スラブ、中間部の足置きが核心。渡部桂太、杉本怜、井上祐二が完登。4課題目、カンテから遠いホールドを片手で耐える。ここまでゼロ完登だった高田知尭が一撃。そして井上も完登し、ただ一人の3完登で優勝した。


男子ボルダリング決勝、第4課題を完登する井上祐二

井上はボルダリングジャパンカップに2015年から毎年出場。2020年には3位に入賞、ワールドカップでは2018年のミュンヘン大会で5位に入賞している。

女子リード

1 谷井菜月
2 森 秋彩
3 平野夏海
4 松藤藍夢
4 中村真緒
4 中川 瑠
7 小池はな
7 柿崎未羽

男子リード

1 村下善乙
2 藤井 快
3 緒方良行
4 吉田智音
5 百合草碧皇
6 楢﨑明智
7 天笠颯太
8 樋口純裕
9 杉本 怜
10 井上祐二

女子ボルダリング

1 森 秋彩
2 松藤藍夢
3 倉 菜々子
4 中村真緒
5 平野夏海
6 小池はな

男子ボルダリング

1 井上祐二
2 杉本 怜
3 渡部桂太
4 川又玲瑛
5 緒方良行
6 高田知尭

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