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9歳の香港少女が5.14a(8b+)を完登
訳=羽鎌田学
9月26日夜、香港のクライミングコミュニティは歴史的な瞬間を祝った!9歳2ヵ月になるヴェロニカ・チック‐中文姓名:戚鉦溵(チー・ヂォンイン)‐が、中国南部、広西チワン族自治区桂林、陽朔(ヤンシュオ)にある白山(バイシャン)の岩場で5.14aのChina Climb、中国名「中国攀」を完登し、クライミング史に名を残すことになった。これにより、彼女はこのマイルストーンを達成した香港最年少のクライマーとなったのだ。
ヴェロニカのアウトドアでのクライミングの冒険の始まりは、2024年3月に陽朔でプロクライマー&クライミングコーチとして活動する刘永邦(リウ・ヨンバン)、通称“阿邦”(アーバン)の指導のもと、専門的なトレーニングに乗り出した時だ。当初のリードクライミング・レベルは5.10台だったが、彼女は大胆にも5.14aを目標に設定した。しかしながら3ヵ月の厳しいトレーニングの後、彼女は高所でのフォールに対する恐怖に直面し、一時的にトレーニングを中断することになってしまった。メンタルの調整期間を経た後、ヴェロニカは恐怖心を克服する決意で2024年9月にトレーニングを再開した。そして彼女は粘り強い忍耐力で、9月26日にこの難ルートを登り切り、夢を実現したのだった。
※China Climb 中国攀(中国攀岩とも表記) 5.14aは、中国人ユースクライマーにとって試金石的存在のルート。今回登った香港在住のヴェロニカを含めれば、5人の10歳未満のジュニアクライマーが登っている。最年少は、2022年の11月に登った陈云兮(チェン・ユンシー)の8歳4ヵ月。また10歳7ヵ月の時ではあったが、今年のIFSC世界ユース選手権中国・貴陽でユースB女子ボルダーで1位、同リードで4位であった李美妮(リー・メイニー)も2021年5月に登っている。
※ほかに低年齢の高グレードとしては、韓国のクォン・ガウン(8歳)によるスペイン・ロデジャールのIxeia(8b+ 5.14a)がある。
※ヴェロニカ・チックが実際にクライミングを始めたのは5歳半の時。6歳からコンペに出場し、7歳でオリンピック出場を夢見るようになったと言う。