森秋彩、楢﨑智亜、パリ五輪内定!
世界選手権ベルン、ボルダー&リード

文=北山 真  写真=IFSC

世界選手権最終種目は、注目のパリ五輪への切符がかかったボルダー&リードのコンバインド競技となった。


ベルンの会場全景

9日、女子準決勝。まずはボルダーから。ヤーニャ・ガンブレットが98.9という驚異的な成績で1位。オリアーヌ・ベルトーヌが79.4で2位につける。野中生萌が4位、森秋彩が6位。つづくリードでは森が92という好成績、ヤーニャが2位、そしてボルダー19位だったキム・ジャイン(34)が3位につける。総合ではヤーニャ1位、森2位、オリアーヌ3位。野中も苦手なリードで健闘し5位で決勝に進む。

10日、男子準決勝。ボルダーでは安楽宙斗、楢﨑智亜、ポール・ジェンフト、メディジ・シャルクの4名が3完登で上位に。リードでは安楽、トビー・ロバーツ、ヤコブ・シューベルトの3名が完登。当然、安楽が総合1位となった。

11日、女子決勝。ボルダーでジェシカ・ピルツが大健闘し3位につける。リードが得意な彼女にとってボルダー3位はすばらしい結果だ。1位はもちろんヤーニャ。野中は5位、森は6位。そして運命のリード。特別な核心部をもたないこのルートは森のために設定されたようなものであった。終了点直下まで登りその成績は96.1 。ヤーニャもジャインも上部に達するが、森にはおよばない92.1 であった。ジェシカはリードもそつなくこなし4位につける。総合はヤーニャ、ジェシカ、森、この3名がパリへの切符を手にした。

リードでは準決勝、決勝ともに1位となった森


パリ五輪が内定した3名、左からジェシカ・ピルツ、ヤーニャ・ガンブレット、森秋彩

12日、男子決勝。ボルダー第1課題がポイントとなった。登ったのはヤコブと楢﨑智亜のみ。安楽は出遅れた。その後は全体に完登が多く大きな差は出なかった。上位6名が僅差の中リード競技へ。ルートは中間部に大きなボリュームがありここが勝敗の分かれ目となった。ここで楢﨑、アダム、ドヒョンの3名がフォール。安楽はここを越えるが、たった1手進んだだけだった。コリン・ダフィーもその2,3手上まで。ヤコブが恐るべき集中力でさらに数手を登り1位。パリ行きの3名は、ヤコブ、コリン、楢﨑で決定した。

パリへの切符を手にした楢崎(写真はソルトレイクシティ)

ボルダー&リード女子

1 ヤーニャ・ガンブレット SLO 177.0(B 84.9/L 92.1)
2 ジェシカ・ピルツ AUT 157.1(B 69.0/L 88.1)
3 森 秋彩 JPN 140.6(B 44.5/L 96.1)
4 ブルック・ラブトゥ USA 137.8(B 69.8/L 68.0)
5 キム・ジャイン KOR 106.2(B 14.1/L 92.1)
6 オリアーヌ・ベルトーヌ FRA 93.8(B 54.7/L 39.1)
7 野中 生萌 JPN 93.5(B 54.4/L 39.1)
8 アナスタシア・サンダース USA 69.7(B 24.6/L 45.1)

ボルダー&リード男子

1 ヤコブ・シューベルト AUT 183.6(B 99.6/L 84.0)
2 コリン・ダフィー USA 160.7(B 84.7/L 76.0)
3 楢﨑 智亜 JPN 156.7(B 99.7/L 57,0)
4 安楽 宙斗 JPN 149.1(B 85.0/L 64.1)
5 トビー・ロバーツ GBR 143.4(B 79.3/L 64.1)
6 アダム・オンドラ CZE 141.2(B 84.1/L 57.1)
7 イ・ドヒョン KOR 127.1(B 70.0/L 57.1)
8 ポール・ジェンフト FRA 102.8(B 69.8/L 33.0)

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