×

クライミングジムが急激に増加し、競争環境が激化している中で、株式会社ボスコが、ジムの内装から経営までのトータルプロデュース事業を本格的に展開する。
これからのクライミングジムに必要なものとはなにか。
クライミングジム業の現在、そして、今後求められるものを聞いた。

国内のクライミングジム数の変遷『出典:CLIMBING-joy No16』

関東のクライミングジム分布図『出典:CLIMBING-joy No16』


国内のクライミングジム数の変遷『出典:CLIMBING-joy No16』

関東のクライミングジム分布図『出典:CLIMBING-joy No16』

ここ数年、クライミング愛好者の増加は目を見張るものがあり、それに伴ってクライミングジムの数も急激に増加している。2017年時点で、全国に約90軒しかなかったクライミングジムは、12年に約230軒、17年においては約480軒となり約10年間で実に5倍以上の伸びを示している(山と溪谷社調べ)。2016年、東京五輪2020の追加種目に“スポーツクライミング”が決まってからのジム建設は、さらに加速した感があり、この勢いはまだ収まる気配がない。
これだけクライミングジムが増加したのはクライミングそのものが人気だということの他、クライミングジム――特にボルダリングジムが参入しやすい業態であるという点があげられる。壁を建て、マットを敷き、ホールドを配置すれば、だいたいクライミングジムの体をなす(もちろん、受付や更衣室、トイレは必要だが)。つまり、極端に言ってしまえば、これらの設備を揃えられれば、だれでも始められるのだ。
ボルダリングジムと特記したのは、リードウォールのあるジムを運営するとなると、なかなか“だれでも”とはいかないからだが、ここ10年程ブームとなっているのは、ルートではなくボルダリングであり、ニーズを考えればボルダリングに特化したジムで充分だったのだろう。

女性客で賑わうクライミングジム

ジムの増加に伴って競争が激化しており、壁とマット、課題があれば、ユーザーを獲得できる時代は終わったと言える。
ジムの利用者も多様化し、ひと昔前までは、クライマーの鍛錬の場所というイメージだったが、スポーツクラブに通うような感覚でジムを利用する人も増えている。
「いまや、ジムも差別化が必要な時代です。特に快適な空間づくりは欠かせません。それを怠るとビジネスとしては厳しいのではないでしょうか」ボスコの桑田茂樹さんはそう語る。
「たとえば、ジムに来て、受付を済ませて、着替え、シューズをレンタルして、登るといった流れをスムーズにできるレイアウトにしないといけません。それと、たとえば、足の裏の感覚って案外鋭いものなんですが、床の素材をどういうものにすると触れた感触がいいかといった細部にもこだわらなければなりません」
快適な空間づくりには、色や見た目だけではなく、来店時の利用者の体験そのものにまで踏み込んでデザインをする必要があるという。

ボスコの桑田茂樹さん

様々なメディアで取り上げられているボルダリング

「いわゆるアスリート向けのジムがダメというわけではありませんが、現在はニーズも様々です。メディアの露出も増え、むしろボルダリング未経験者やビギナーのほうが、ユーザーの多くを占めています。競争が激しくなってきているなかで、そういった新しいお客さんを取り込んでいくためには、クライミング以外の部分で差を出していかなければならないでしょう」
これまでにアパレルの店舗などで実績があるボスコは、そのノウハウをクライミングジムでも活かせることに着目し、クライミングジムのサポート事業を始めた。

女性客で賑わうクライミングジム

ジムの増加に伴って競争が激化しており、壁とマット、課題があれば、ユーザーを獲得できる時代は終わったと言える。
ジムの利用者も多様化し、ひと昔前までは、クライマーの鍛錬の場所というイメージだったが、スポーツクラブに通うような感覚でジムを利用する人も増えている。
「いまや、ジムも差別化が必要な時代です。特に快適な空間づくりは欠かせません。それを怠るとビジネスとしては厳しいのではないでしょうか」ボスコの桑田茂樹さんはそう語る。


ボスコの桑田茂樹さん

「たとえば、ジムに来て、受付を済ませて、着替え、シューズをレンタルして、登るといった流れをスムーズにできるレイアウトにしないといけません。それと、たとえば、足の裏の感覚って案外鋭いものなんですが、床の素材をどういうものにすると触れた感触がいいかといった細部にもこだわらなければなりません」
快適な空間づくりとは、色や見た目だけではなく、来店時の利用者の体験そのものまで踏み込んでデザインをする必要があるという。


様々なメディアで取り上げられているボルダリング

「いわゆるアスリート向けのジムがダメというわけではありませんが、現在はニーズも様々です。メディアの露出も増え、むしろボルダリング未経験者やビギナーのほうが、ユーザーの多くを占めています。競争が激しくなってきているなかで、そういった新しいお客さんを取り込んでいくためには、クライミング以外の部分で差を出していかなければならないでしょう」
これまでにアパレルの店舗などで実績があるボスコは、そのノウハウがクライミングジムでも生かせると踏んで、クライミングジムのサポート事業を始めた。


ボスコ本社オフィス。アパレル店舗の内装などを得意としており、オフィスも洗練されている。

ボスコの阿部裕美子さん

業務を一本化し、一貫したブランディング戦略を構築

とりあえず、壁とマット、課題があればジムの体をなす”と言っても、壁を建て、ホールドを購入、ルートをセットし、マットを敷き、内装を整え、電気工事を入れる――おおまかに、これだけの工程があり、しかも、これらは業者が分かれていて、打合せをするだけでも手間がかかってしまう。
「これらの窓口を私たちが担い、一本化することはオーナーの手間が省けるだけではなく、ブランディングにおいても重要です。しっかりと打ち合わせをして発注したにも関わらず、建設中に予定していた方向から少しずつズレていて、気がついたらまったく違ったものになっていた……ということがよくあります。(ボスコでは)設計と管理が意識の共有を密に図ることで、当初の計画からブレずに思った通りのジムを作ることができます」
「例えば、クライミングジムのイメージを作っていくうえでスタッフの接客態度などはすごく大切なので、マニュアルの作成をしたり、スタッフ教育をしたりといったこともやります。場合によっては、スタッフを派遣することも想定されますね」
ボスコで管理を担当する阿部裕美子さんはこう語る。


ボスコの阿部裕美子さん

ジムの建設から運営まで、トータルサポート

ジムの建設から運営まで、トータルでサポートできるのがボスコの強みだ(もちろん、サービスごとの依頼でも対応できるが)。
もともとは有名アパレル店の内装を中心に手がけていたが、ボルダリングジムRock&Wallを施工・プロデュースしたことをきっかけに、ジムの抱える課題や問題などに直面。そこで、ボスコがもつ内装のノウハウを活かしながら、クライミングジムの建設時に培った経験、人脈などを生かして、ジムのトータルプロデュースを行なう事に着目。実現させる事に成功した。
オープンしてから直面する様々な問題――集客や広告・宣伝、施設補修、スタッフの教育なども統括し、総合的なプロデュースを提供するため、特にクライミングの世界に特別明るくないオーナーにとっては、頼もしい味方となることだろう。

2013年Rock&Wall青山店オープン
2016年Rock&Wall辻堂店オープン
青山店は、都心の一等地にふさわしいハイクラスで洗練されたジム空間を提供。
辻堂店では海の街にふさわしい、明るく開放的な環境を作り、子供から楽しめるジムを実現。

Rock&Wall青山店

コンセプト:地域性を考慮しアッパーな客層にフォーカス。
ジム利用者のセレブ感を満足させるスタイリッシュで落ちついた空間を作り上げた。
建物の構造上、半地下となった奥のスペースがボルダリングエリアとなっている。
外から見たボルダリングエリアに行く過程を「トンネル状」とし、素材感の有る落ち着いた印象のエントランスと対照的に、ボルダリングエリアの色をカラフルにすることによって、視線を促し、利用者の気分も上がるように設計されている。
また、視覚や足の裏から受ける感覚を重視し、素材感を大事にした。
エントランス周りでは、壁や床にクロスや塩ビタイルなどは使用せず、漆喰や無垢のフローリングを使用。
ホールドにはメッキ加工のような仕上げを施し、オブジェとして演出している。

Rock&Wall辻堂店

コンセプト:海が近く、若いファミリー層が多いため、海沿いのカフェのようなイメージで設計。
手作り感のある、ローコストながらも、ウェストコーストのイメージに仕上げている。

お問い合わせ先 株式会社ボスコ
電話番号 03-3882-7332
お問い合わせメール climbing@bosco-inc.co.jp
オフィシャルサイト http://www.bosco-inc.co.jp/