ナーレ・フッカタイバル、“Burden of Dreams 9A(V17)”を初登!(2)

ナーレはこの課題に、トミー・コールドウェルとケビン・ジョージソンらが“The Dawn Wall”にかけたとの同じくらいの歳月を費やしていた。その長い期間中、数日間にわたって、ほんのワンムーブさえもできないことがあったのだが、それも彼にとっては普通のことだった。しかし決して諦めることなく、粘り強く課題に取り組んできたのだ。

今年早々、3月末、当地を訪れたジミー・ウェブが全てのムーブを繋げるのに必要だった最後のパーツ、課題解決の有効なキーとなる極小フットホールドを見つけたのである。実はこのホールドの存在にはナーレ自身も気がついていたのだが、彼はそれがあまりにも右にありすぎて効果的に使えないと考えていたのだった。この発見後は、もう時間の問題であった。そして条件が整えば、待望の時は来るはずであった。

しかし今年の春は短く足早に訪れた夏のせいで、期待されたその時が来ることはなかった。そして秋。待ち焦がれていたパリッとした季節が再びやって来た。機は熟した。ナーレは課題達成のチャンス到来を感じとったのである。

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