ナーレ・フッカタイバル、“Burden of Dreams 9A(V17)”を初登!(4)

出来る限りポジティブな気持ちで岩に向かって歩いていくのですが、その一方で、都度変化する、明らかな難しさを前に力不足を感じました。

目的の岩の下に座ると、岩の重みをひしひしと感じ、そしていつものデジャヴュにとらわれ、何百回となく繰り返されてきた光景が目に浮かんでくる。いつも同じように始まり、同じように終わります。しかし、今回だけは例外だった。違ったのです。

ハッと我にかえると、岩のリップにぶら下がっていました。そんな自分の姿に余計にうろたえ、心臓が爆発しそうでした。落ち着け、と自分に命じました。次の瞬間、どうやってそこまで行けたのかなんとか理解しようとしながら、岩の上に立っていたのです。私の中で、驚き、安堵、喜び、当惑、さまざまな感情が入り混じっていました。現実味を帯びてくると、すべてがこの上もない喜びへと変わっていったのですが、心の片隅に少しだけ信じられない気持ちがあったことも事実です。

>>そして今朝目を覚ますと、世界が違って…