【2000年代〜】『岩と雪』から『ROCK&SNOW』の表紙に見るクライミングファッションの変遷

ファッション
2017.09.25
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=CLIMBING-net編集部

※本記事はCLIMBING-joy015号の記事を元にしています。

前編では1980年〜2000年までのクライミングファッションの変遷を追いかけた。後編となる今回は、80年代後半〜のピチピチタイツ期から、現代のクライミングファッションへの変遷を紹介する。

2000年代

1、七分丈ニットパンツ期

2000
イタリア・ANDONNOでの小山田大

化繊のピチピチタイツ系から一転、VERBのヨージンボーパンツに代表される、ナチュラルで締め付けのないコットンニット七分丈パンツがタイツを駆逐する。着やすさと、前傾壁全盛となって、パンツの幅が多少太くても足元を見るのに支障がなくなったことも理由のひとつといえるだろう。

2、ボルダリングファッション台頭期

2005
13人のクライマーが勢揃いした記念号

ボルダリングのコンペシリーズ「B-session」が始まるなど、ボルダリングブームの到来とともに、ボルダリングブランドのファッションが流行。ニットパンツは影を潜め、布帛素材のルーズパンツが主流となる。プラナ、グラミチなどのナチュラル系と、S7、コードレスといったクール系の2派がみられた。

3、ワイルド系ダブダブウエア期

2009
エピタフを登る小山田大

小山田大プロデュース「inga」ブランドが登場すると、ムードラパンツに代表される、ボルダリングに特化したウエアが目立つようになる。シルエットはさらにルーズに、中で体が泳ぐようなオーバーサイズが特徴。80年代同様、タイパンツなども見かけるようになる。

4、ボーダーレスデニムファッション期

2010
スティングレイを登るソニー・トロッター

いかにも「私、ボルダリングやってます」的なファッションへの反動なのか、オープンシャツにデニムといった、「私、普段着でもサクッとボルダリングしちゃうんです」なスタイルが台頭するようになる。

各社がこぞってクライミング用のデニムパンツを開発し、発売するようになったのもこの時期だ。時代はもはや登るために着替えるという行為すら必要でなくなったのかもしれない。本来、激しい動きや汗の濡れに弱く、クライミングには到底向かないと思われていデニムが、ストレッチ素材やカッティング技術の進化によってクライミング対応のデニムに生まれ変わった。

5、スポーツファッション混在期

2013
小誌の表紙撮影での野口啓代

近年のボルダリングワールドカップでは、ほとんどの選手がショートパンツ&タンクトップという姿で課題に挑んでいる。足の上げ下げ、腕の上げ下げ、いずれにもこの組み合わせがスムーズといえるのだろう。それを真似てか、ジムではショートパンツ+タイツのように、ランニングやフィットネスなどクライミング以外のスポーツをイメージさせるファッションをよく見かけるようになった。クライミング人口の増加でランニングもしながら「クライミングもする」という人が増えたせいだろうか。

 

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