北山真のクライミングなんでもQ&A 第1回(4)

回答者 北山 真

Q.ルートのグレードには必ず「5」がついていますが、 これはなぜですか?

ANSER
頭に「5」がつくグレード体系は、アメリカから輸入された「デシマルグレード」と呼ばれるもので、日本では主にこれを採用しています。

「5」はフリークライミングを表しており、これは登山のジャンルを、クラス1=ハイキング、クラス2=岩稜歩き、クラス3=ときどき手を使う岩登り、クラス4=簡単な岩登り、と分けたクラス5にあたるものです。ちなみに6がエイドクライミングです。

「5」のあとにくるものがルートの難しさを表しています。一応5.0から始まり、5.1、5.2と上がっていくのですが、このあたりは登山靴で登っていた時代の名残といえるもので、今のクライミングシューズを履けばクラス4に含まれてしまうでしょう。およそ5.6あたりからが本格的なフリークライミングといえます。5.7、5.8と上がっていき、5.10になると5.10a、5.10b、5.10c、5.10dの4段階に分かれます。

さらに5.11a、5.11b、5.11c、5.11d、5.12aと上がっていき、確認されている現代の世界最高グレードは5.15c! 初心者がまず目標とする5.10aから、実に22段階上の難しさということになります。5.15aを、最初に述べた難しいルート・やさしいルートの表現に当てはめてみると、 超難しいルート→「ほぼ天井裏のような傾斜で、第一関節の半分くらいのホールドで、飛びつかなければ届かないような距離で、しかも横を向いていたりする」 となります。

また、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリアなどは、それぞれデシマルでない独自のグレードの表現を使用しているので、換算表が必要です(グレード表参照)。

>>Q.ボルダーのグレードは また別のようですが。?

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>>Q.難しいルートとやさしいルートは、 どこが違うのでしょう?
>>Q.ルートやボルダー課題についているグレードは、 どのようにして決められているのですか?
>>Q.ボルダーのグレードは また別のようですが。