北平友哉、不動の拳を第6登。5.13-を提唱

11月25日、北平友哉が瑞牆山・不動沢の不動の拳を完登した。 山岸尚将、増本亮、佐藤裕介、岡田康、安藤真也に続く第6登。 トライは8日間。

「僕はワイドクラックが大好きで、これまでに日本国内やアメリカ・ビデブーでワイドクラックを登ってきましたが、登り終わった後に本当に吐きそうになったのは、この「不動の拳」が初めてのことでした。

グレードに関してですが、瑞浪の“ワイドマスター 5.12a”、瑞牆の“帝王 5.12a”と比較しても不動の拳の5.12bは正直かなり厳しいと思いました。 僕の体感グレードは5.13-です。

まずルーフに乗り移ってからワイドに入るまでのルーフクラックに関してですが、ワイド以外のクラックでは5.11cまでで、ハンドサイズのルーフクラックで登ったのは“岩小屋ルーフ 5.10d”、“スカイフォール 1級”、ビデブーの“Nat’s 3 star Roof 5.11a”ですがそのいずれよりも個人的には難しく感じたので5.11+はあるのではと思います。そして核心となるワイドの入り口からですが、少なく見積もってもそこだけで5.12aはあると思います。今までに経験した事のないムーブでした。

5.11+の見た目よりも長く感じるルーフクラックをこなした後に、体がよれた状態で5.12aのワイドクラックに突っ込み、動きを止めて6番をセットしてクリップする瞬間が肉体的にも精神的にも一番キツかったです。体はよれていても心がよれていたら確実に落ちるので心は常にトップギアに入れたまま無我夢中で登り続けました。

最後に、このルートに「不動の拳」という素晴らしい名前をつけてくれた初登者の山岸さん、これまでにビレイをしてくれた方々、岩に行くのは月2回という決まりを破っても快く送り出してくれた妻、そして何よりも一緒にトライし、11月21日に完登して、全力でサポートするよと言ってくれた安藤君、本当にありがとうございます。絶望感から始まり、悔しさ、自分の不甲斐なさ、色々な感情を乗り越えて、僕は安藤君と不動の拳を登る事ができて幸せです。」

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