セブ・ブワン、フラタンゲルでアダム・オンドラ初登のIron Curtainを第2登

planetmountain.com 訳=羽鎌田学

フランス人クライマー、セバスティアン・ブワンがノルウェーのフラタンゲルでIron Curtainの第2登に成功。初登はアダム・オンドラ、2013年のこと。当時、アダムはニーパッドを使わずに登り、彼がつけたグレードは9b(5.15b)。今回ニーパッドを使ったセブがつけたグレードは、9a+(5.15a)。

セブは、2019年には、このノルウェー、フラタンゲルにある巨大なハンスへレレン・ケイブで、やはり2013年にアダム・オンドラによって初登されたMoveを第2登している。そして今回、満29才になったセブは、Move初登の数日前にアダムが登った別のテストピース的ルートを初めて再登した。当時、ニーパッドを使わなかったアダムは9bとしたが、今回セブはニーパッドを使い、そのおかげでハーフグレードほど簡単に感じたとコメントした。

 
 
 
 
 
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この4月下旬には自国ヴェルドン渓谷で念願のDNA(9c)初登を達成したセブは、次のようにインスタに投稿している。

「2013年のことになるが、私はアダムにメールを送り、夏の間にフラタンゲルに行く予定はないかと尋ねてみた。私は一緒に登るパートナーを探していたのだ。ただ、まだお互いのことを直接知らなかったので、返事はあまり期待していなかったが。しかし予想に反し、翌日には、ノルウェー中部にあるトロンハイム市の空港で私をピックアップしてくれる日時を知らせる返事を受け取ったのだ。もちろん直ちにチケットを予約した。彼とエリック・グランデリウスと合流し、フラタンゲルで丸々1ヶ月間過ごすことができるのだ。初めて訪れる美しい場所、新しい岩場、そして世界最強のクライマーがその洞窟の中に隠された宝を見せてくれるということで、とても興奮した。

到着するや否や、すかさずアダムはIron Curtainと呼んでいたプロジェクトに取り付いていた。そのラインはとてもハードで、かつ美しく見えた。その時のツアーで、彼が最初にゲットしたルートとなった。私は彼の初登となったトライに際し、彼のビレイをする機会を得たのだが、それは印象的な経験だった。

彼は常軌を逸したガストンムーブを駆使して核心をこなしていった。それは野性味たっぷりのクライミングだった。そんな彼らと一緒にクライミングをしながら過ごすことは、じつに刺激的だった。そのツアーは、私のクライミング人生におけるターニングポイントとなり、ハイレベルなクライミングに目を開かせてくれた。岩の表面を縦横無尽に動き回る彼らを見て、多くのことを学ぶことができた。彼らは、別格だった。私の登りはあまりにものろまで、集中力にも欠けていた。思い出深い経験をさせてくれた彼らに大いに感謝している。

今年は、具体的な目標を設定せずに、フラタンゲルを再訪することにした。自分をオープンにしておいて、岩場で壁を前にしてインスピレーションを感じるルートにトライしてみるつもりだった。そして最初に手をつけたのが、Iron Curtainだった。それはパーフェクトな岩に引かれた素晴らしいラインだった。RPに成功するまでに、実働5日間、14トライが必要だった。私はニーパッドをつけて登ったのだが、ニーパッドを使うと既定のグレードより簡単になると感じた。核心を少し違う方法でこなすことができるようになるからだ。もちろんそれでもまだまだハードなムーブなのだが、肩への負担が軽減され、よくあるボルダ―課題の難しさという感じがした。

アダムはニーパッドをつけずに登って9bとしたが、やはりニーパッドなしで登った場合には、確実に9bはあるとは考える。ただ今回RPまでに私が費やした時間と労力を考えてみれば、ニーパッドを使えば9a+がより妥当なのだろう」

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