“裸足のシャルル” 新たな9A/V17課題完登

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訳=羽鎌田学

10月18日、素足で登ることで有名なシャルル・アルベールがフランス、オート=サヴォワ県北部、スイスとの国境にも近いサレーヴ山でL’Ombre du Voyageur(旅人の影)を初登し、グレードを9Aとした。L’Ombre du Voyageurは長さ10mで、サレーヴの山腹に位置するケイブのルーフを貫くクラックを辿る課題である。

先ずは2019年秋、シャルルはルーフ最後の3分の1のムーブを繋げ、Voyageur Face à la Mer de Nuage(雲海を臨む旅人)、8Bとした。そして4年後の今年10月下旬、彼は10mのラインのムーブを最初から最後まで完全に繋ぐことに成功し、裸足でニーパッドなしという自身の好みのスタイルで長年のプロジェクトに終止符を打った。

シャルルは2つの主な理由からグレードを決定するのに悩んだという。第1の理由は、課題の長さであった。確かにその長さは、ボルダー課題のBurden of Dreams(9A)よりも、むしろリードルートのHubble(9a)に近いのである。ただ前傾度は両者よりもはるかに大きいが。そして第2の理由は、クライミングシューズもニーパッドも使わずに登るという彼が選択したスタイルが、物事を容易にするどころか困難にしているという事実である。

さらにシャルルは、クライミングシューズもニーパッドも使わないという彼特有のいつものスタイルで登って、実際には課題を9A+に近いと感じたが、それらを使えば容易になることは否定できないと考え、9Aというグレードを選択したようである。

また、「グレーディングの経験豊富なシャルルは、たとえヒールフックやニーバーを使って登ったとしても、この長いルーフの課題が自分の知っている8C+と同じ難易度であるとは考えられないと結論付けた」とも述べている。やはり残されたグレードは9Aであったようだ。

ただ9Aというグレーディングは、シャルルにとって初めてではない。2018年に初登した、現在では8C+とされているNo Kpote Onlyを彼は当初9Aとしており、その後再登者は2名にすぎないが、第2登した亀山凌平は8C+とコメント。第3登したニコラ・プロルソンは8Cへのさらなるダウングレードを提案している。

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