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アレックス・メゴス、マルガレフでThe Full Journey 9b完登
planetmountain.com 訳=羽鎌田学
2022年10月9日、ドイツ人クライマー、アレクサンダー・メゴスがスペインのマルガレフでThe Full Journey(9b/5.15b)を初登した。
春に続き再びマルガレフに戻ってきたアレクサンダー・メゴス。またしても、マルガレフの岩の使うのが痛い一本指、二本指ポケットたちも、彼の鋼鉄でできた指の腱には敵わなかった。2018年にこの岩場で最も難しいルート、9b+/5.15cのPerfecto Mundoを設定初登した後、アレックスは今回、当岩場の花形セクター、ラコー・ダ・ラ・フィネストラでもう一本、極悪なテストピースとなるルートを初登し、これをThe Full Journeyと銘打ち、9bとグレーディングした。
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このラインは、上下2つのパートから構成される。下部のパートは、英国出身でありながら今はマルガレフに居を定め半ばローカルクライマーとしてカタルーニャの岩場でエネルギッシュな活動を展開するトム・ボルジャーが2022年4月に大レストポイントとなるジャグホールドまでを登り、The Journeyと名付け、9a/+とグレーディングしたルート。そのThe Journeyに上部パートとなる、9a相当の17メートルのエクステンションを付け加えたアレックスは、グレードは上下トータルで9bに上がると見積もる。
自身のインスタへの書き込みで、彼は次のように説明している。「最初のパートは、中間部で一本指ポケットを使ったハードなムーブがある他はほとんどが二本指ポケットを使ったパワーエンデュランス系。第2のパートは、ボルダーチックで、強度の高いデッドポイントで一本指ポケットを取りにいくムーブと、その後に何ヵ所かハードなムーブあり」
アレックスは今年4月上旬に上部、第2のパートを登り、最初のパートのムーブもあっさりとこなすことができていたので、今回スペイン再訪前に、既に自分が何をどのように為すべきかわかっていた。初日にこともなげにThe JourneyをRPし、その後さらに6日間、計12回のトライの後に、The Full Journeyを完登した。
「2つのパートの間のあの大レストポイントがなければ、このルートは間違いなく次のレベルの一本になったはず」と、この夏に29歳になったばかりの彼は言い、「途中でレストしても、まだまだ充分にハード。どちらのパートも自分のクライミング・スタイルにとても合っているものなので、グレードについては再登者たちの意見を聞いてみたい」と続ける。
The Full Journey完登翌日の10月10日には、アレックスはトム・ボルジャーが開拓した新しいセクターを訪れ、手始めに、その名の通り、取付きに停めてあるトラクター脇から登り始める8cのOff the Tractorを瞬く間に再登。続いて同じく8cのPatan el Villanoをフラッシュ。そして仕上げに、8c+のPatata el Villanoを初登。このハットトリック達成に要した時間はほんの数時間。マルガレフでアレックス・メゴスは止まらない。