パンプの仕組みとは?治療家が教えるパンプ解消の裏技

ボルダリング トレーニング HOW TO
2017.06.29
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=杉山典之 モデル=抜井亮瑛
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「登っていると、すぐにパンプしちゃうんですよね」

僕の整骨院に来られるクライマーさんの中には、もう何年も登っておられるのにもかかわらずパンプのしやすさを訴えられる方をお見かけします。

初心者の場合であれば、すぐにパンプしちゃって登れないというのはよく聞くお話ですが、、、

今日は、そんなクライマーを悩ます存在「パンプ」についてのお話です。

そもそもパンプってなんだろう?

そもそもパンプってどんな状態のことを示すのでしょうか。
長時間登っていると、前腕がパンパンに張ってきますね。 こういった特定の筋肉がパンパンに張ってくる現象、これがいわゆるパンプアップ=パンプです。

パンプはもともとトレーニング用語のひとつで、トレーニングジムなんかに行くと、 「ヤベー、俺の大胸筋。今日は追い込んだらめっちゃパンプしてきた」 などとニヤニヤしている姿を見かけたりもします。

ではパンプはどのような仕組みで起こるのでしょう。

パンプの仕組み

筋肉は強い負荷がかかると、まず自分の中に蓄えられた栄養を使って運動エネルギーを絞り出します。
たとえば100mを全力疾走した感じを思い浮かべてみましょう。 1本目はともかく、連続で4、5本走ったら普通の人はタイムが落ちてきますよね。

これは結局「筋肉のエネルギー切れ」が原因によって起こるのです。
さらに運動によって燃焼したエネルギーの燃えカスである老廃物がたまったり、筋肉の伸び縮みによって発生した熱で温度が上昇した状態になるので、100m全力疾走を終えた後の太ももは熱っぽかったり硬い感じがしますよね。

こうなってしまうと、筋肉は通常通りの力を発揮できなくなってしまいます。 筋肉が運動をスムーズに行なうためには、栄養や温度といった一定の条件が必要だからです。

もちろん、必要条件から外れるほど筋肉は働きにくくなるのですが、実際に動けなくなってしまうと大変ですから、体はこの状態をなんとかするために血液やリンパの流れを使って、環境を保とうとするのです。

筋肉の環境さえ正常に戻れば良いので、数時間も経てばパンパンだった前腕は元に戻ります。この働きがパンプの正体というわけです。

パンプを遅らせる方法ってあるの?

「じゃあ、どうやったらパンプを遅らせられるの?」

たくさん登りたいというあなたの気持ち、よくわかります。 では、次はパンプを遅らせる方法についてお話ししましょう。

簡単に言うと、パンプは栄養不足と筋肉の運動熱から起こります。
つまり、循環の問題を解決することがパンプを遅らせることにつながります。 血液を通して栄養補給がなされ、循環が筋肉の冷却装置の役割を担えるからです。

では循環を妨げる原因を幾つか考えてみましょう

  1. 負担がかかりやすい箇所がある
  2. 筋力が弱い
  3. 筋肉が硬い
  4. 呼吸が浅い

ひとつ目の「負担がかかりやすい箇所がある」はムーブスキルの問題、2つ目の「筋力が弱い」は単純な筋力不足です。
これらに関しては初心者によく起こる問題ですが、そんなところを突かれても、正直なところ解決するためには時間がかかります。

ですが3つ目の「筋肉が硬い」に関しては、まずはストレッチなどのウォーミングアップを行なうことで予防が可能です。 それでもパンプが取れないという方に、ちょっとした裏技を伝授しましょう。

パンプしたときにやってみよう、治療家が教える裏技

要するに、パンプは血液の循環が落ちることで起こりやすくなります。 逆に言うと循環が良くなれば回復力が上がるということです。

腕を振ってパンプを解消させようという動作をやったことはありませんか?

もちろん、これでも多少の解消にはなるでしょう。ですが、実はもっと効率の良い方法が存在するのです。

では、パンプしたときの解消エクササイズをご紹介しましょう。

1、パンプを解消したい側の鎖骨下部にある胸筋上の皮ふをつまみます。

2、皮ふのつっぱりを感じる程度に腕を回します。(前回し、後ろ回し)

3、腕を横に広げた状態でホールドや柱を手で保持して、少し体を反対側に倒しながら引っ張ります。

なんで腕のパンプなのに胸なのか?

その理由は至って簡単です。 肩から腕に走っている血管の根元は「鎖骨下動脈」と呼ばれる部分で、文字通り鎖骨の下を通ります。
ということは、胸筋が硬くなると腕の根元の血行が悪くなり、パンプを起こしやすくする可能性が高いからです。
症状には必ず原因がありますが、症状を出している部分が原因とは限りません。

根元の筋肉を緩めて、パンプを解消してみましょう。 ただし、効果には限界がありますからご注意を!

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