アレックス・メゴス、南仏ビュークスでエリア最難5.15a/bを初登。その名もLe Grand Saccage「大暴れ」

gripped.com 訳=羽鎌田学 写真=Jan Virt

ドイツ人クライマー、アレックス・メゴスがつい先日、フランス、プロヴァンスの岩場ビュークスにあったプロジェクトルート、Le Grand Saccageの初登に成功し、9a+/b(5.15a/b)とグレーディングした。

ビュークスという名を知らない方のために説明すると、ここは1980年代に世界中から数多くのクライマーを集めた素晴らしい石灰岩の岩場のひとつで、当時ハードルートが目白押しのスポットであった。もちろん、この岩場には数多くの往年の名ルートが今なおそのまま残っているが、近年の岩場に比べると、そのグレードが手厳しいものが多い。そんなビュークスで、今回アレックスは、当岩場最難ルートとなるLe Grand Saccageを初登したわけだ。ただし、有名なプロジェクト、通称Le Bombé Bleuなど、より高難度のプロジェクトが、ここビュークスにはまだまだ残っている。

アレックスは今年2月に初めてビュークスを訪れ、プロジェクトルートであったLe Grand Saccageに3日ほどトライしたが、その時の短い滞在期間中に完登することはできなかった。しかしながら完登のイメージは既にできていたようで、この4月の第2週にプロジェクトを完遂するために再びビュークスを訪れ、1日目と2日目にはムーブを確認し、3日目には早々にRPに成功してしまった。

前回の2月のビュークス・ツアー中には、1989年にイギリス人クライマー、ベン・ムーンが初登した歴史的な、フランス初の8c(5.14b)ルート、Agincourtをフラッシュして話題になったが、このルートは、極めてテクニカルで、且つ成功の確率が低いムーブもあり、多くの人はこれをフラッシュすることはほぼ不可能だと考えていた一本である。2月の滞在中に、アレックスはビュークスのクラシックを何本か登ったが、その中には以下のルートが含まれている。

  • Miss Catastrophe 8c(5.14b)
  • Le Spectre du Sur-Mutant 8b+(5.14a)
  • End of Weakness 8b/+(5.13d/14a)
  • La Mission 8b(5.13d)
  • La Rose et le Vampire 8b(5.13d)
  • CTN‐Corbeau Technique National‐ 8b(5.13d)
  • Tabou 8a+(5.13c)

Le Grand Saccageは、もともと1年程前にフランス人クライマー、アドリアン・ブロンがボルトを打ったルートであったが、奇しくも、アレックスがスペイン、マルガレフで1月中旬に初登した9b/+(5.15b/c)のTuareg Blancoにボルトを打ったのも、このアドリアン・ブロンである。

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