クラッククライミングを学びたい人へ、動画「ワイドボーイズのクラックスクール」②

前回、紹介した「WIDE BOYZ CRACK SCHOOL」のフィストジャムの基本に続いて、今回はピート・ウィタカーの十八番「オフウィズス(off-width)」に関する動画を紹介したい。

『ピート・ウィタカーのクラッククライミング』によると、ワイドクラックの一種であるオフウィズスは「快適に登れる幅から外れた広さ(で)多くのクライマーが毛嫌いしている」。しかしピートは「よりハードに追い込める」からこそ魅力を感じているという。

オフウィズスの動画はイントロのBGMが割愛され、いきなり本題に入り、尺も長め。オフウィズス関連のコンテンツは、彼らの企画の中でも再生回数が高く、希少なテクニック動画であることがうかがえる。

今回は◆How to Climb Chicken Wing Offwidth Cracksの見どころを紹介する(要約:中嶋渉)。

チキンウィングを使うサイズのオフウィズスの登り方の解説動画。講師はピートとトム・ランドールの二人。ハウツーとしても観られるが、見どころは二人の軽妙な掛け合い。尺も長いので、オフウィズスをテーマにしたフリートークと思ってお楽しみください。

1. このサイズのオフウィズスについて(~0:50)
ハンドスタックが効かず、チムニーほど体が入るわけでもない。トム曰く、「まるで悪夢さ!」

2. チキンウィングの決め方(0:50~4:43)
ジャムの決め方はシンプルで、それでいて効きは非常によい。
①腕を畳んで肘からクラックに入れる。
②手と指先は自分の顔のほう(クラックの入り口)に向ける。
③この形で肩から上腕にかけてをクラックの入り口のほうへ引く。
トム「君の場合、上腕二頭筋がデカくて邪魔になるんじゃない?」
ピート「最近縮んできちゃったんだ」

3. 外の腕(4:43~5:05)
外の腕はクラックに添え、手のひらをクラックの縁にかぶせて持つ(guppyというのがその持ち方)。
ポイントはチキンウィングよりも下にしないこと。目線かおでこくらいの高さがおすすめ。

4. チョークバッグについて(5:05~6:25)
背中側につけていると手を入れられなくなるので、体の前(つまりクラックの外)へ回すこと。
チョークアップの小ワザも紹介。

5. 内側の足/脚(6:25~7:25)
使うテクニックはレッグバー。足の小指側の側面と、膝の内側をそれぞれクラックの内壁に当てる。

6. ポジショニング(7:25~9:06)
このサイズのオフウィズスを登るときの体勢をどうするか、という話。ポイントは「どうすればクラックのより深くまで体を入れられるか」ということ。
トム「腰回りの肉が1インチでも深く入ると、まったくの別物になるよ」
ピート「ダンスの腰使いみたいだね」
トム「そうでもないだろ」

7. 外側の足/脚(9:06~11:04)
使うテクニックはフロッグド・フット。踵からクラックに入れて、親指の付け根あたりをクラックの縁に当てる。

8. まとめ(11:04~)
ピートによる実演。動き方もここで解説している。
基本は、外側の足/脚で押し上げて、体を固定し、外側の足/脚を決め直す、というもの。
トム「オフウィズスは同じムーヴの繰り返し。それこそ100回とかね」

『Need to learn how to crack climb? / The full Wide Boyz Crack School series』

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