ステファノ・ギゾルフィ、イタリア最難Excalibur(9b+)を初登

planetmountain.com
訳=羽鎌田学

2023年2月3日、ステファノ・ギゾルフィが、アルコ北東に隣接するドレーナ村でExcaliburを登り、グレードを9b+/5.15cとした。それは同時に、イタリア最難ルートの誕生でもあった。

運命の人とは、彼、ステファノ・ギゾルフィのことだろう。トリノ出身で今はアルコに居を定め活躍する29歳の彼は、ドレーナの極めて滑らかな前傾壁で、2月3日の金曜日まで世界トップクラスのクライマーたちの挑戦を拒んできたExcaliburの初登に成功し、まさにアーサー王が持つとされる剣をゲットしたのだ。ステファノは、ローカルのクリスティアン・ドリガッティとモーリス・フォンタナーリがボルトを打ったこの激悪のホールドが連続するルートを9b+とグレーディングしたが、それによりExcaliburは目下イタリアで最も難しいルートの一本となった。

 
 
 
 
 
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数ヵ月前から、ステファノを始め、アダム・オンドラ、ウィル・ボシらが、ほとんど目につかないほどの極小ホールドを使う、最大強度の新たなレベルを予感させるこのルートに挑戦していたが、ことごとく跳ね返されていた。実際、多くの9b、9b+、9cルートがどちらかと言えば長いのとは対照的に、このルートは短く、そして各ムーブの強度がとてつもなく高いという点で特殊な一本である。

1987年に僅か16歳で当時のイタリア最難ルートを登り、また直近のアダムのトライでビレイヤーを務めたピエトロ・ダル・プラは、数年前までは垂壁でさえこれほどまでに小さなホールドを使って登ることなど思いもよらなかった、とコメントしている。彼が驚くのも、もっともだ。その時彼の目の前にあった壁は、ホールドが極小のままで、40度ほど前傾していたのだから。

ステファノは、Excalibur初登達成までに、無数の9bルートを登り、2018年にはスペインのマルガレフでPerfectoMundo(9b+)、2020年にはノルウェーのフラタンゲルでChange(9b+)、2021年にはフランスのセユーズでBibliographie(9b+)を再登している。

ステファノ・ギゾルフィが登った9b以上のルート:
2015年11月-Lapsus(9b)初登、イタリア、アンドンノ、
2017年1月-First Round First Minute(9b)、スペイン、マルガレフ
2017年11月-One Slap(9b)、イタリア、ラーゲル(アルコ)
2018年1月-La Capella(9b)、スペイン、シウラナ
2018年12月-Perfecto Mundo(9b+)第2登、スペイン、マルガレフ
2019年2月-Queen Line(9b)、イタリア、ラーゲル(アルコ)
2019年12月-Stoking the Fire(9b)、スペイン、サンタ・リーニャ
2020年9月-Change(9b+)第2登、ノルウェー、フラタンゲル
2021年1月-Erebor(9b)初登、イタリア、エレモ・ディ・サン・パーオロ(アルコ)
2021年8月-Bibliographie(9b+)第2登、フランス、セユーズ
2021年12月-The Lonely Mountain(9b)初登、イタリア、エレモ・ディ・サン・パーオロ(アルコ)
2022年2月-L’Arenauta(9b)初登、イタリア、グロッタ・デラレナウタ(スペルロンガ/ガエータ)
2023年2月-Excalibur(9b+)初登、イタリア、ドレーナ(アルコ)

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