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通谷律、比叡山のホライゾン V15に成功
ホライゾン(V15)最終核心の通谷律
通谷律(15)が2022年3月12日、宮崎・比叡山の長いルーフ課題、ホライゾン(五段+/V15)を完登した。小山田大、白石阿島、一宮大介、奥村優に続く第5登と思われる。トライは5日間。以下は通谷による経過と感想。
「今年度中にホライゾンを登る事は決めていた。しかし、コロナ渦の中、公式大会等の開催が、延期になったりして、中々、岩に出かける事ができなかった。
11月3日、公式大会は続いていたが、意を決してホライゾン1日目。間近で見るホライゾン、あまりのスケールと形状のカッコ良さに感動した。
11月23日、2日目。 九州の若いクライマーとともにトライ。セッション効果もあり、その日の内に全てのパートがばらせた。
1月4日、3日目。全てのムーブを繋げに入った。スタートから、最終核心まで、延々と初段から二段のムーブが続く。最終核心まで繋いだその時、私は始めて、ホライゾンに出会えた気がした。
2月27日、4日目。スタートから最終核心までの動きの精度とフィジカルは確実に上がっていた。しかし、この日も決める事はできなかった。1トライで集中力、体力、メンタルをごそっそり、持っていかれる中、4トライが1日の限界だった。
3月12日、5日目。2日目に一緒だった兼城君とトライする事にした。この日もやはり、最終核心部までは問題なくいけるが、どうしても止まらない。4トライが終え、父に『今日はもうやらない』と伝え、兼城君を見守る事にした。兼城君のトライ見守る中、1つの可能性にトライしたくなり、一緒にやる事にした。諦めかけていた心に少し、力が戻ってきた。
初めての5トライ目。体と指はボロボロだったが、意を決してやった。今まで何度もやって来たムーブ。自分の中で完成された流れだった。そして、最終核心。ぶっつけ本番、新ムーブ。意識する前に、体がすべてを捉えいた。そして、右のポケットをしっかり掴んだ。マントルを返し、高鳴る自分を抑え、トップアウト。ついに、ホライゾンを完登した。
このトライの期間、私は何度もメンタルをへし折られ、期待と絶望を繰り返す日々を過ごして来ました。
しかし、私は、あの”完登の瞬間”の気持ち良さ、心の高ぶりを少ないながらも知っています。その”瞬間”を信じ、やり続けそして、完登する事ができ、最高です。ホライゾンを登る事で、多くの技術と持久力、集中力、強靭なメンタリティを身につけられたと思います。」