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茨城国体クライミング競技開催 

2019年10月7日

文・写真=東秀磯

2019年10月4~6日、茨城国体のクライミング競技が鉾田市で開催された。同競技の開催地は茨城県鉾田市であり、リードウォールはグラウンド内に仮設され、ボルダリングウォールは体育館内に仮設された。

茨城県は東京オリンピック代表に内定された野口啓代選手や若手成長株の森秋彩選手、世界的な実力クライマーの小林由佳選手の所属県である。その彼女たちが出場することから国体史上最多の観戦者が訪れて非常に盛況であった。


茨城成年女子チームと応援団

国体スポーツクライミング競技には成年男女・少年男女の4カテゴリーがあり、1チームは2名の選手で編成される。順位は2選手の合計成績となる。

ボルダリング競技
競技ルートは4ルート。1・2ルートを5分間のピリオドで行ない、3・4ルートを5分間の休憩をはさんだ次のピリオドで行なう。競技成績は2選手の合計完登数、合計ゾーン数……となる。

リード競技
競技用ウォールは独立した左右2基で、同県の選手は左右に分かれて1回のみ試技する。本年より予選はフラッシュとなった。決勝はオンサイトである。チーム成績はそれぞれの選手の順位を合計したもの。

ボルダリング競技決勝レポート

少年女子

茨城県の森秋彩選手は4完登で個人順位1位であった。各ルートに対しても1撃または2回目で完登とほぼ完ぺきな内容である。しかしチーム完登数は5で総合2位である。


茨城少年女子チームの菊池(左)と森(右)

優勝は予選1位通過の東京チーム(平野夏海選手・菊地咲希選手)。それぞれの選手が3完登、チームとして完登数6となり、完登数でひとつ茨城を上回った。

少年男子

予選ラウンド1位だった栃木県チームは、決勝でも1位となり、予選6位から決勝2位になった埼玉県、予選5位から3位になった岐阜県などジャンプアップしたチームの追撃を振り切った。栃木チームの川又玲瑛が全選手中で唯一3完登、チームメイトの関口準太選手は2完登であった。 特に川又選手は3ルート目をタイムアップ直前に制して、競技終了10秒前まで1位表彰台に片足が掛かっていた埼玉県チームを引きずり下ろした

成年女子

愛知県チームの倉菜々子選手は全選手中で唯一3完登、チーム総計4完登で優勝した。茨城県チームの野口啓代選手・小林由佳選手はそれぞれ2完登、チーム総計4完登と完登数は同じだったが、ゾーン取得数という僅差で2位となった。3位は総合2完登の長崎県チーム(大河内芹香選手・木下茜選手)


ボルダリング成年女子で優勝した愛知チーム

成年男子

杉本怜、渡部桂太、土肥圭太、石松大晟と世界トップレベルの選手が競合したカテゴリーとなった。このラウンドを制したのは日比野良祐・亀山凌平を要する岐阜県チーム。決勝の個人成績はそれぞれ3位・6位で総獲得は7完登・8ゾーン。北海道チームの杉本怜・武者知希は個人成績はそれぞれ4位・9位で、完登数ゾーン数も優勝チームと同数であったが、第3成績考課の「完登アテンプト数」で4つ差がついて2位に甘んじた。2つのチームは予選順位が入れ替わったことになる。

個人成績2位は4ルート全完登の土肥圭太選手(鹿児島)、そして1位は千葉県の村井隆一選手。自信をもって高難度のルートを設定したルートセッターも、4ルートすべて1撃で制した村井選手に対して「彼は怪物だ」と嘆息した。

リードクライミング競技決勝レポート

少年女子

菊地咲希選手(左ルート)・平野夏海選手(右ルート)を要する東京チームが個人順位それぞれ1位・2位で優勝した。そしてこのカテゴリーで唯一完登(右ルート)した森秋彩選手の茨城県チームが2位となった。3位は中川瑠(左ルート2位)・井内瑠南(右ルート5位)の大阪チームであった。


少年女子でただ一人完登する森秋彩

少年男子

森本治誉選手(左ルート)・田中裕也選手(右ルート)を要する岐阜県チームは個人順位それぞれ1位・4位を獲得して優勝。滋賀県の前田健太郎選手(左ルート)・伊勢一真選手(右ルート)の個人順位もそれぞれ1位・4位であったが、予選のカウントバックで2位となった。

また奈良県の吉田智音選手(左ルート)・西田秀聖選手(右ルート)は個人成績3位・1位であったが、総合成績計算式の結果で3位となっている。

なお完登者は西田秀聖、村下善乙(千葉・右ルート)、百合草 碧皇(埼玉・右ルート)であった。

成年女子

森脇ほの佳選手(左ルート・3位)・黒岡水夢選手(右ルート・2位)と安定したチーム順位の大阪府が優勝した。

注目の茨城県チームは野口啓代選手(左ルート)が全選手中唯一の完登で個人順位1であった。しかし小林由佳選手が下部パートを登る際に足のスリップでフォールしてしまい、チーム順位は2位となった。3位は倉菜々子(右ルート・1位)を擁する愛知県チーム。決勝のグレードは5.13a/bである。


成年女子でただ一人完登する野口啓代

成年男子

最後まで安定したクライミングをみせ、全選手中唯一終了点タッチを果たした樋口純裕(左ルート1位)が・靏本直生(右ルート・5位)を伴って優勝した。2位は本間大晴(左ルート・2位)、波田悠貴(右ルート・3位)の埼玉県チーム。3位は井上祐二(左ルート・3位)、中上太斗(右ルート・2位)の福井県チームであった。

チーム成績が必ずしも見た目の個人順位の総計とならないのは、チーム成績の計算方法が加重計算を用いているからである。推定グレードは5.13c/d。

後記

国体は年々出場選手のレベルが上がり、国際級の選手も多く出場するため、非常に見ごたえのある競技会となっている。そのため競技規則や競技レベルも「国際級」を視野に入れるために克服が必要な課題も増えている。

リード予選は本国体からフラッシュ方式になった。ワールドカップなどでは2ルートを競技順を入れ替えて登るが、国体では1ルートのみの試技なので公平だったかどうかが問われることになる。

また決勝はこれまでの「左右同一ルート」ではなく、「近似ルート」であった。そのため競技成績は出場選手全員に対してトータルで順位がつくのではなく、左右ルート別々に成績が考課されることになった。そうすると強いクライマーが集ったルート側では相対的な成績が不利になってしまう。

ボルダリングの競技は国際級の選手が多くルート内容も世界最難クラスであったが、本国体から競技時間が1ピリオド6分から5分に短縮された。個人戦では1ルート5分であるが、国体のように2ルート5分では短すぎるという意見が多い。最初の30秒をルート観察に使うとすると、国際大会の個人戦では、4分30秒の試技時間となる。国体では同様な難易度のルートに対して1ルートの試技時間が平均2分となり、1ルートへの実質的なトライ回数は2~3回にならざるを得ない。そうなると2ルートの中でやさしいほうのルートに行きあたった選手のほうが成績が良くなる傾向になる。

リザルト

※名前の次が個人順位

ボルダリング少年女子

1 東京(平野夏海4、菊地咲希3)
2 茨城(森 秋彩1、菊池野音15)
3 福島(滝口 萌2、林あいり11)

ボルダリング少年男子

1 栃木(川又玲瑛1、関口準太6)
2 埼玉(百合草碧皇5、鶴 準斗4)
3 岐阜(森本治誉2、田中裕也9)

ボルダリング成年女子

1 愛知(倉菜々子1、石井未来6)
2 茨城(小林由佳3、野口啓代2)
3 長崎(大河内芹香7、木下 茜9)

ボルダリング成年男子

1 岐阜(亀山凌平6、日比野良祐3)
2 北海道(杉本 怜4、武者知希9)
3 三重(渡部桂太7、田島瑞貴10)

※リードは今年から同一ルートでなく
なったため、左右それぞれの順位

リード少年女子

1 東京(平野夏海2、菊地咲希1)
2 茨城(森 秋彩1、菊池野音6)
3 大阪(中川 瑠2、井内瑠南5)

リード少年男子

1 岐阜(森本治誉1、田中裕也4)
2 滋賀(前田健太郎1、伊勢一真4)
3 奈良(吉田智音3、西田秀聖1)

リード成年女子

1 大阪(森脇ほの佳3、黒岡水夢2)
2 茨城(野口啓代1、小林由佳7)
3 愛知(石井未来7、倉菜々子1)

リード成年男子

1 佐賀(樋口純裕1、靏本直生5)
2 埼玉(本間大晴2、波田悠貴3)
3 福井(井上祐二3、中上太斗2)

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