ヨセミテ初のV16 カルロ・トラヴァーシ、キャンプ4でThe Dark Side(V16)を初登

gripped.com
訳=羽鎌田学

2023年12月下旬、カルロ・トラヴァーシがヨセミテ渓谷で、バレー最難課題となるThe Dark Side(V16)を初登した。彼は、今までで最も困難なプロジェクトと彼自身が呼んでいたこの課題を完登するまでに、7年の歳月と50を超えるセッションを費やした。ヨセミテで初V15が誕生したのは、2021年のこと。米国人ボルダラー、パブロ・ハンマックが初登したLove Will Tear Us Apartがその課題である。

 
 
 
 
 
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「先週末にヨセミテで、生涯のプロジェクトのうちのひとつを登りました。私がこれを生涯プロジェクトと呼んでいたのは、このラインにトライし始めた時、完登するまでに一生かかるのではと思うほど実現不可能に感じたからです。さらに、このラインが非常に刺激的だったので、たとえ失敗を繰り返すことになっても、残りの人生をかけてそれにトライし続けても一向に構わないと考えたからです」

カルロ・トラヴァーシは、地球上で最もバランスのとれたクライマーの一人だ。彼は、ボルダリングではロッキー・マウンテン国立公園でV16のCreature of the Black Lagoonを、スポートのリードではコロラド、フォートレス・オブ・ソリチュードの岩場で5.15bのFlex Luthorを、そして、トラッドではヨセミテで5.14cのMeltdownとMagic Lineなどを登っている。

1988年生まれで既に35歳の彼は普段はボルダリングにより重点を置き、スイスのキロニコでFrom Dirt Grows the Flowers(V15)、カリフォルニア、レイク・タホでOld Man Winter(V14)とEcho Chamber(V14)、ヨセミテでThe Rookery(V14)などの高難度課題をゲットしている。

The Dark Sideについて、彼は次のように語っている。

「キャンプ4のど真ん中、スリラーボルダーの左側面に位置しています。1984年にロン・カウクがThriller(V9)を、そして1991年にジェリー・モファットがThe Force(V9)を初登した時も、それはそこにいました。その2本の伝説の課題のどちらをも登ることができない私が、2003年にそれを初めて見たのは、やはりそこでした。そして2013年、長い間遠ざかっていたバレーに久しぶりに戻り、それに目をやると、そいつは壁から飛び出してきて、それ以来私は目を離すことができなくなってしまったのです」

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