野中生萌=銀、野口啓代=銅 女子コンバインド決勝

女子表彰台

文=北山 真 写真=IFSC 

2021年8月6日、東京五輪のスポーツクライミング・コンバインド女子男子決勝が青海アーバンスポーツパークで行われ、野中生萌が銀メダル、野口啓代が銅メダルを獲得した。

1種目目スピード。番狂わせはまったくなく、実力通りの順位となった。ポーランドのアレクサンドラ・ミロソラフが6秒84の世界新記録を樹立。

世界新記録を樹立したアレクサンドラ・ミロソワフ

2種目目ボルダンリング。内容はまたまた難しすぎるものだった。第1課題はスラブのトラバース。出だしからできない選手が相次ぐ。ブルック・ラブトゥが抜群のボディコントロールで最終ホールドに達するが完登ならず。完登はヤーニャ・ガーンブレットのみ。第2課題はコーナーから。足位置が難しくなかなかステミングの体勢になれない。ここでもブルックが素晴らしいパフォーマンスで最終ホールドまで迫るが完登できず。これまたヤーニャのみが完登。第3課題。オポジションでスタート。シンハンドのクラックから次が異常に遠く、ヤーニャも含め誰もできず。ゾーンをとったのはヤーニャとブルック、野中のみ。

3種目目リード。ハングのほぼど真ん中を行く。テクニカルな下部、フィジカルな中間部、読みにくい上部。最後には豪快なダブルダイノが待ち受けるが、誰もここには達しなかった。野中が最初の核心を越え21をマーク。そして、競技人生最後のクライミングとなる野口が渾身の力を振り絞り29+。ヤーニャはここで底力を見せ上部をうかがい37+。予選1位のソ・チェヒョンはこれに届かず35+で2位となった。

総合はもちろんヤーニャの圧勝。野中2位、野口3位。日本にとって想定内での最良の結果といって良いだろう。

野口の長期にわたる活躍、そしてクライミング界への貢献に感謝するとともに、今後の競技ではない本来の岩登りでのパフォーマンスに期待したい。

リザルト

      S B L 総合
1 ヤーニャ・ガーンブレット  SLO 5 1 1 5
2 野中生萌 JPN 3 3 5 45
3 野口啓代 JPN 4 4 4 64
4 アレクサンドラ・ミロスワフ POL 1 8 8 64
5 ブルック・ラブトゥ USA 7 2 6 84
6 アヌク・ジョベール FRA 2 6 7 84
7 ジェシカ・ピルツ AUT 6 5 3 90
8 ソ・チェヒョン KOR 8 7 2 112

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