世界選手権リード女子、地元ジェシカ・ピルツが優勝

文=北山 真  

9月6日~16日の日程でインスブルックで行われているクライミング世界選手権はリード競技から開始された。6日は男子予選、7日は女子予選と進み、8日には女子セミファイナル、ファイナルが行われた。

セミファイナルではキム・ジャイン、ヤーニャ・ガーンブレッ卜、ジェシカ・ピルツの3名が完登、日本人では野口啓代と小武芽生が7位タイでファイナルに進んだ。


セミファイナルのジェシカ・ピルツ


セミファイナルの小武芽生

ファイナル2番手で登場した小武はまったくミスのない登りで、ルート中唯一のレストポイントできっちり休み、最上部に達し、最終的に4位という好成績をあげた。

ハイライトは9番目に登場した地元オーストリアのピルツ、熱狂的な歓声の中、異例ともいえる最終ムーブのコーディネーションをこなし完登。

そして最後に本命ガーンブレッ卜が登場。もちろんピルツの完登は分かっている。タイム勝負になることも。いつものスムーズな登りによどみはない。しかし最終ムーブ手前の手の入れ替えに手間取る。コーディネーションをこなし最終クリップ、しかしタイムはピルツより10秒遅れるものだった。

このようにしてピルツの優勝が決まったのであるが、いささかふに落ちない部分がある。セミファイナルの完登が3名出た時点で、ファイナルのルートはかなり厳しいものとするのがセオリーである。あえて厳しくしなかった、と深読みしてしまうものもいるのではないだろうか。

リード女子

1 ジェシカ・ピルツ(AUT)
2 ヤーニャ・ガーンブレッ卜(SLO)
3 キム・ジャイン(KOR)
4 小武芽生
5 白石阿島(USA)
6 アナク・ヴェルホーヴェン(BEL)
7 ミア・クランプル(SLO)
8 野口啓代
9 ハンナ・シューベルト(AUT)
10 ラウラ・ロゴラ(ITA)

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