【体験取材】日本初のボルダリング技能検定!ボルダリング検定とは

大会
2017.12.06
文=CLIMBING-net編集部 取材協力=日本クライミングジム連盟 協力=(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

11月18日、クライミングジムマーブーで日本初のボルダリング技能検定となる「第1回ボルダリング検定」が開催されました。

今回は検定会を編集部Sが現地で体験取材!ボルダリング検定当日の様子をお届けします。

ボルダリング検定ってなに?

ボルダリング検定はクライマーのボルダリング能力技能を検定会を通じてジム連盟が評価し、段級位の認定と登録を行なう新しいスポーツ技能検定です。ジムを利用するクライマーの新たな目標として、また上達の指標としてコンペとは異なる挑戦の場を提案します。(日本クライミングジム連盟HPより)

ボルダリング検定は日本クライミングジム連盟が主催するボルダリングの技能検定制度です。

5級から1級まで5つのクラスがあり、課題は各級共通で5課題。5級〜3級まではセッション方式、2級と1級はセッション方式で3課題、ベルトコンベア方式で残りの2課題が行なわれます。各級ともに3課題以上を完登することで合格と認定されます。

完登数に応じて認定の等級が変わり、3完登でブロンズ、4完登でシルバー、5完登でゴールド認定となります。

ボルダリング検定を体験取材!

記念すべき第一回の検定会場となったのは、東京都武蔵村山にあるクライミングジムマーブー。検定の開催に伴い前日からジムの通常営業は休みとなっており、入念な準備が伺えます。

受付開始

検定会は受験する級ごとに受付時間が分かれており、もっとも早い時間で朝の9時から5級受験者の受付が始まります。

編集部Sが受験した4級は10:30から受付が開始。10時40分ごろに到着したところ、既に多くのひとが。受付付近にはボルダリング検定のポスターが貼られていて、会場の雰囲気も検定会一色に。

受付では検定料を支払い、ゼッケンとボルダリング検定のガイドブックを受け取ります。着替えを済ませ、ゼッケンを背中に貼り付ければ準備完了で、あとは開始の時間までストレッチなど準備運動をしながら待機します。

検定エリア入場

受験者は開始時間30分前に検定エリアに入ることができます。

検定エリアに入ると、課題を自由にオブザベーションすることができ、検定が始まるまでは多くの人が真剣な眼差しで課題を確認しています。課題エリアはA〜Dまであり、エリアごとに各級それぞれ一課題ずつ設定されています。

開始時間の15分ほど前になると、主催者から競技ルールの説明があります。検定開始までは体が冷えないようにパーカーや上着を身につけているひともちらほら。

検定開始

スタートの合図とともに、受験者が一斉に登り始めます。会場内も熱気に包まれ「ガンバ」の声が飛び交います。課題の近くには、ジャッジがいて課題の完登を判定。スタートは両手だけでなく、足も含めた4点支持のワールドカップ仕様で、慣れないスタートに戸惑う受験者も。ただ、常にジャッジが課題のすぐ近くで確認をしてくれるため、その場ですぐにやり直しが可能となっています。

5課題を時間内で一気にトライするため、しっかりとオブザベーションをしておき、事前にどの課題からトライをしていくのか戦略を練ることも重要な要素となってきます。5課題とも検定のために考え抜かれた課題で、オブザベーション能力から保持力、持久力、強傾斜やスラブまでバランスよく設定されていて、総合的なクライミング能力が試されます。

5級〜3級までは制限時間が60分。セッション方式のため、好きな課題の前に並び、順番がきたらトライ。会場内には、残り時間が簡単に確認できるようにタイマーが数カ所に設置されています。

リザルトは会場内の電光掲示板でリアルタイムで更新、表示。課題ごとの完登状況を見ることができ、それぞれの課題がどれだけ完登されているか確認することができます。

ただ、検定はコンペとは違い他のひとの成績は関係なく、自分がどれだけ登れたかによって合格が決まるため、リアルタイムのリザルトにも焦ることなく、自分のペースで課題に挑戦することができます。

認定、バッジ・合格証の配布

検定時間が終わると、認定エリアに移動します。

3課題以上完登すると、認定エリアで受験した級に応じた合格バッジと合格証をもらうことができます。

合格バッジはブロンズ、シルバー、ゴールドの3種類。編集部Sは翌日の筋肉痛と引き換えに、無事4級のゴールドバッジを入手! 

4級ゴールドの認定バッジ

バッジの色は級によって異なり、外枠は完登した課題数に応じてブロンズ(3完登)、シルバー(4完登)、ゴールド(5完登)が用意されています。

コンペとは異なり、検定では受験者間で差をつける必要がないため、受験級と実際の課題とのギャップがほとんどありません。そのため、実力通りの級を受験すれば、全ての課題に完登の可能性を感じます。グレード設定の納得感も高く、多くの人が時間ギリギリまで諦めずにトライをしていて、最後まで熱気溢れる検定会となりました。

絶対的な自分の強さだけで合格が決まるため、客観的に自身の成長度合いを確認できる非常に良い機会になるのではないでしょうか。

検定会参加者の声

K.Fさん 4級 シルバー認定

クライミング歴:9ヶ月
最高グレード:3級
受験のきっかけ
面白そうだったので、ホームジムのメンバーみんなで受験しにきました。

感想
意外と難しかったです。最後の一課題はフルパワーならできたかもしれませんが、5課題連続では体力が持ちませんでした。検定中は緊張感があって面白かったです。グレードに対する納得感もぴったりで、これぞ4級!と思える課題でした。

S.Yさん 4級 ブロンズ認定

クライミング歴:1年半
最高グレード:2級
受験のきっかけ
会場がホームジムで、さらに第一回ということで面白そうだと思って受験しました。

感想
自分の弱点が見つかりました。課題ごとにそれぞれ求められる能力が違うため、苦手な部分、得意な部分がわかります。登れなかった課題のうち、一つはゴール落ちだったのですごく悔しいです。
自分の実力が今どの程度なのか知ることができました。また少し経ってから受けたいと思います。今回は4級だったので、次は3級に挑戦します。

Y.Sさん 3級 シルバー認定

クライミング歴:3年半
最高グレード:初段
受験のきっかけ
会場が近く、初めての開催ということで友人と一緒に受けました。

感想
コンペとはまた違った雰囲気、内容で凄くよかったです。コンペだと、どうしても他のひとの完登状況が気になってしまいますが、検定だと他のひとの動向が気になりませんでした。自分の登りに集中することができて、よかったです。最後の1課題は腕がパンプしてしまって、登ることができず悔しかったです。グレード感も納得で、課題のテイストも強傾斜からスラブまでバランスよく、面白かったです。

S.Mさん 2級 シルバー認定

クライミング歴:4年
最高グレード:初段
受験のきっかけ
初回ということもあり、面白そうだったので友人と一緒に受けました。

感想
勝ち負けがなく、客観的に自分の実力を知ることができる良い機会になりました。2級はベルトコンベアとセッション方式の両方あって、それぞれトライするときの雰囲気が全く違って楽しかったです。一課題だけ登ることができなくて、すごく悔しいですが、自分の苦手を発見することができたのでよかったと思います。

グレードに対する的確感はすごくあって、限られた時間の中でトライすることを考えると納得でした。人と競うのが苦手でコンペはちょっと、、、という方にもおすすめです。

D.Kさん 1級 ゴールド認定

クライミング歴:8年
最高グレード:4段
受験のきっかけ
ホームジムがジム連盟に加盟していることもあり、新しい取り組みで興味が湧きました。

感想
​緊張感があってよかったです。コンペよりも課題と向き合う時間が多く、100%課題に集中できるので自分の努力がそのまま結果に反映されると感じました。セッション方式のときは話し合いができたり、ベルトコンベア方式と両方を楽しむことができました。検定というだけあって、どの課題も面白くて総合的なクライミング能力が試されると思います。

特に成長途中の子供にはおすすめしたいです。コンペと違って、自分の実力だけが試されるので、成長の度合いを測るには最適だと思います。

次回開催予定

第2回のボルダリング検定は奈良県のナカガイ・クライミングジム 橿原店にて1月20日(土)開催予定!

詳細は日本クライミングジム連盟公式HPへ→http://www.jcga.co/bouldering.html

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