サラリーマン〝スペイン・カタルーニャ弾丸クライミングツアー〟全9日間の記録 ’15 【7】

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バルセロナ市街 未完成の大聖堂「サグラダ・ファミリア」前

5日目(現地時間 10月20日 火曜)
雨予報も出ていたのでレスト。前日、ドクターから「宿泊地近くの病院で消毒してもらうように。」と言われたので、バラゲルBalaguer]の病院へ向かう。受付で「English O.K.?」と聞くと「Yes」の返答。片言の英語で事情を説明して、待合室にて待つ。スペイン語で書かれた「静かに!」の注意書きを前に、おしゃべりに夢中でとても賑やかで陽気な人たち。スペインにいる感じがした。

ここで診てもらった女性医師の甥はクライマーだという。もっと英語が話せれば、会話が弾んだだろうに…。語学力のなさを痛感。その後はバルセロナへ行き、市街観光で1日を終えた。

6日目(現地時間 10月21日 水曜)
この日がクライミング最終日となる。オーナーの勧めでTerradetsのParet de les Bruixesへ。初日のサンタ・リーニャSanta Linya]のCava Gran同様に高グレードのルートが多く、高さと傾斜のあるエリアだ。ここ数日、スケールの大きい岩壁を見てきたが、見慣れることはなく、この日もそそり立つ壁に圧倒された。

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“Energia Positiva 7c+(5.13a)”35mに挑戦。このグレードのルートに触れること事態が初めてであるうえに、35mのロングルート。日本では装備したことがない数のヌンチャクを左右にぶら下げて、いざトライ。短いスラブから傾斜に変わり、1本目をクリップして複数並んだコルネを登り、2本目のクリップへ進む。ルートを観察しているときにイメージしたボルトの間隔よりも、登っていると広く感じ、「3本目のクリップ手前で落ちたらグラウンドかな……」と、怖さから無駄な力が入る。

さらに、たくさんのコルネはどこを掴もうか悩ましく、慎重になりすぎて時間がかかってしまい、3本目をクリップしたところでハングドッグ。スケールの大きさに気持ちが圧倒されているのか、恐怖がぬぐえない。5本目あたりまで登ったところでロワーダウンして、「メンタル弱過ぎだ!!」と叫んだ。

このツアー最後となるトライも、”Energia Positiva”を選んだ。先には進むが、トラバースの箇所で恐怖が拭えず敗退。陽も傾き、荷物をまとめて岩に振り向き「また来るぜ! adios~」と言い残して岩場を出た。

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Energia Positiva 7c+(5.13a)にトライの筆者。無数のコルネ地帯

 

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スペインの女性プロクライマーDaila Ojeda(写真右)と記念写真。美しい登りを目の当たりにしてうっとりでした