ボルダーワールドカップ最終戦インスブルック
安楽宙斗初優勝、楢﨑明智とワンツー

文=北山 真 写真=IFSC

ワールドカップボルダー2023最終戦が6月14日、15日、オーストリア・インスブルックで行われた。

14日の女子予選は野中生萌、森秋彩、伊藤ふたば、青柳未愛の日本勢4人が通過。15日の女子準決勝は伊藤が2位、野中が3位、森が6位に入り決勝進出者の半数を日本人が占めた。外国勢3人はブルック・ラブトゥ、ナタリア・グロスマン、ヤーニャ・ガンブレットで、海外3強対日本3強の戦いとなった。

決勝第1課題、ナタリア、ヤーニャ、野中がフラッシュ。
第2課題はスラブ。森が滑りやすいホールドをものともせずフラッシュ。ナタリア、ヤーニャ、野中、ラバトゥが完登。
第3課題。超スローパーへのランジ。森はランジが決まらずノーゾーン。ナタリアは完登したかに見えたがわずかにタイムオーバー(おそらく0.5秒程度)。ヤーニャは神がかり的な素早いムーブでただ一人の完登(フラッシュ)。
第4課題。ジャンプからのスウィング。これまたヤーニャが圧倒的パフォーマンスでフラッシュ。その後この課題も完登者は出なかった。


ヤーニャの異次元の強さが復活した

結果ヤ―ニャが全課題フラッシュという成績で圧勝した。シーズン前に左足を負傷。復帰した第4戦では銀メダル。そして最終戦で他の追従をゆるさない圧倒的実力を見せつけ優勝した。女子年間ランキングはナタリアが逃げ切り、年間3連覇を達成した。


野中生萌は銅メダル

男子予選は日本勢が好調で、通谷律と楢﨑明智が1位、3位安楽宙斗、もう一人の3位はベテラン、ヤコブ・シューベルトだった。

男子準決勝ではベルギーのシモン・ロレンツィが4完登で1位、楢﨑明智が3完登で2位、安楽が2完登で6位。

決勝第1課題。凹角を背にステミングで登り、一気に180度反転し舳先状を片手でつかむ。6名中シモンをのぞく5名が完登。
第2課題。右のカンテ状をデッドで止めるのが核心。足を決めないことがポイント。安楽がこれをただ一人完登。


第2課題をただひとり完登する安楽宙斗

第3課題。スラブ。体を反転しポケットに足を入れるのが核心。楢﨑、サム・アヴェズーが完登。安楽はできず。


第3課題をこなす楢﨑明智

第4課題。いきなり大ランジから始まる立体的な課題。安楽が7回目に完登。楢﨑も完登し2名が3完登で並ぶが、アテンプトの差で安楽の初優勝が決まった。

この優勝により安楽は楢﨑智亜、韓国のイ・ドヒョンを抜き、年間チャンピオンにも輝いた。

女子

1 ヤーニャ・ガーンブレット SLO 4t4z 4 4
2 ナタリア・グロスマン USA 2t4z 2 11
3 野中 生萌   2t4z 2 13
4 ブルック・ラブトゥ USA 2t3z 5 11
5 森 秋彩   1t2z 1 3
6 伊藤ふたば   0t3z 0 12
     
14 青柳未愛    
21 関川愛音    
33 松藤藍夢    
64 中川 瑠    

 

男子

1 安楽宙斗   3t3z 11 9
2 楢﨑明智   3t3z 15 11
3 サム・アヴェズー FRA 2t2z 4 3
4 チョン・ジョンウォン KOR 2t2z 6 6
5 ニコラ・コラン BEL 2t2z 7 7
6 シモン・ロレンツィ BEL 0t0z 0 0
     
7 緒方良行    
11 楢﨑智亜    
12 通谷 律    
15 藤井 快    
25 佐野大輝    
50 小俣史温    

 

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