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ヤーニャ・ガーンブレッツ インタビュー

2018年10月26日

この記事は、2017年8月23日にBen Lepesantによっておこなわれinnsbruck2018.comに掲載されたインタビュー記事を、著作権者の許諾のもと、CLIMBING-net編集部にて翻訳したものです。

インタビューと写真:Ben Lepesant / Austria Climbing


Copyright: Ben Lepesant / Austria Climbing

こんにちは、ヤーニャ。まずは、どうやってクライミングを始めたのか教えてくれるかな?

クライミングを始めたのは6歳か7歳のとき。その前は、木やクローゼット、ドアなんかを登っていたわ。クライミングは、友達や家族の影響じゃなくって、自分で始めたの。自分自身でクライミングをすると決意して始めたのよね。

当時、スロベニア北部にあるホームタウンのスロベンジ・グランデックにイベント用の壁があって、そこで本当のクライミングに出会ったの。そこのスタッフが、私の登りに感心して、クラブに入るよう勧めてくれて、両親が私をクラブのメンバーに登録してくれた。1年後には、ヴェレンジのクラブに移籍して、その後すぐにそこでゴラツド・ヘレン(編集部註:スロベニアユースクライミングチームのコーチ)の元でトレーニングをするようになったわ。

普段のトレーニングはどこでしているの?

いまだにヴェレンジでトレーニングしている。とっても小さいボルダリングジムで、壁はあんまりすごくないけどね。だから、たまにミッタードルフとかインスブルックまで行ってトレーニングすることもあるけど。

アウトドアでのクライミングも同時に始めたの?

最初はインドアジムでのクライミングから始めて、岩場でのクライミングのことは何にも知らなかった。それが変わったのはゴラズド・ヘレンとトレーニングを開始した年から。私は岩場でのクライミングが本当に好き。自然に囲まれて、一つのルートを登るにも、様々な攻略法がある。岩場で登る時は、うまく登ったり、常に自分が強くなければならないとういプレッシャーを感じないし。だから私は(岩場では)どんな課題でも楽しむことができる。でもやるからには、難しい課題をやりたいとは思っている。でもそれはメディアのためではなく、私自身のためにね。

普段はどこへ登りにいってるの?

スロベニアには、いくつかいい岩場があるの。私の家のそばのコテクニックとかミシャペチなど。でもシーズン中はコンペで忙しいので、あまり登りに行ってはいない。

いまはコンペが優先?

うん。私はずっとコンペで戦ってきているので、自然の岩場へいって楽しむ時間があまり持てないのよね。でも将来的にはもっと自然の岩場で登りたいと思ってる。

コンペは君にとってどんなもの?君は小さいときから常に勝ってきたけど、退屈することはないの?

ユースコンペティションで登り始めたころは、退屈することはまったくなかった。私は常に優勝したかったし、100%全力を傾けていた。でもワールドカップに参加するようになってからは、ユースコンペがちょっと退屈になってきた。(ワールドカップに参加する前は)ワールドカップで優勝できるかどうかも、決勝に残れるかどうかもわからなかった。でもシャモニ大会で初めて決勝に進んだとき、表彰台にのれる可能性があることがわかった。それからはワールドカップのためにトレーニングをすることを決意したの。自分が持っている全ての力をワールドカップで発揮したかったから。

でもいまはアナク・ヴァーホーヴェン、キム・ジャイン、ジェシカ・ピルツなど、他の子達もとてもよく準備をしている。優勝するのは簡単なことではないわ。(優勝するには)万全の体調とともに、その日の運も必要で、すべてが完璧である必要があるから。

君は自分がとても強いと思ってる?また君と他のクライマーとの違いはなんだと思う?

自分でもよく分からない。クライミングは大好き。トレーニングをするのは全く苦痛ではないし。実際、コンペよりもトレーニングのほうが好きに感じることもあるくらい。トレーニング中はリラックスして全力を傾けることができる。たとえ(指の)皮が剥けててもね。トレーニングは本当に楽しめるの。

でもコンペはたまにストレスに感じることがある。例えば5つのコンペが連続していたりすると、常に集中をしていなければならない。それがつらく感じることもある。

集中しているときはどんな感じ?

まったく違う世界にいる感じ。そのとき何を考えているかを聞かれても、自分でも分からない。そのルートをどう登るか、そのムーブをどうやるかなど、目の前のやらなければならないことに、完全に吸い込まれているの。それは本当に素晴らしい感覚。でもその状態を維持することはとても難しいの。

コンペの時は、どのタイミングで集中を始めるの?

アイソレーションエリアで始める。どんなルートでも同じ。自分自身を引き出すために、ちょっとだけ独りになって、周りのことをすべて忘れる必要があるの。

コンペがストレスに感じることもあると言ったけど、それはどんな感じ?

時々、「このルートを登りたい」のではなく、「このルートを登らなければならない」と思うことがある。私はもっと心の奥底から登るべきだと思う。でもコンペが沢山あると、それが難しくなってくる。今年は、もっと自分自身のことや、自分のクライミングの精神的な部分を理解できるよう努力してる。去年はそれが課題だった。それから沢山のことを学んだ。ワールドカップも3年目になって、少しずつよくなってきた。

今年、カンピテッロ・ディ・ファッサでおこなわれたヨーロッパチャンピオンシップでは、集中できなかったことが問題だった?

ヨーロッパチャンピオンシップに2週間前、ヴェイルのボルダリングワールドカップにでていて、リードについては自信を持てていなかった。決勝では、自分が優勝できるかどうか、もしくはそのルートを登れるかどうか自信を持てなかった。多分それが失敗だったんだと思う。

君が登っているのをみていると、あまりにも簡単に登っているみえるから、本気でトライをしているのか、それとも単にそれが君のスタイルなのか分からないときがあるんだ。君にとって、ルートが簡単すぎるということもあるのかな?

今シーズンはその部分に取り組んでるの。登っている途中、完全に集中して「怒り」を覚えるべきか、リラックスして「なるようになる」と考えるべきか、私もまだよく理解できていないの。とっても難しい問題。「怒り」と「リラックス」の間のちょうどよいバランスを見つける必要があるのよね。

君はとても若いのに、成功に成功を重ねているけれども、まだ成功に飢えてる?

私は去年、自分の人生の目標だった世界選手権での優勝を成し遂げたけど、前にもいったとおり、常に強くなりたいと思っているし、毎年もっと上手くなりたいと思っている。だから多分、コンペに飽きてしまうことはないと思う。まだ世界選手権のボルダリングに参加していないから、おそらくもっとボルダリングに注力するとは思うけど。世界選手権のボルダリングが私の次の目標よ。

インスブルックのことはどう思う?

本当にすばらしいところね。ジムも中で迷子になりそうなくらいすごい。あらゆるスタイルのルートがあるし。ボルダリングウォールも本当にかっこいいわ。ホールドの種類もさまざまで、すべての種類のホールドが揃ってるし。

インスブルックで行われる世界選手権のことはどう思う?

この場所は世界選手権にぴったりの場所だと思うわ。屋外壁は巨大ですばらしいし。セッターはいいルートがセットできるし、観戦するのにもいいでしょうね。なんといっても、観客用のスペースがたくさんあるし!

君は今年(2017年)のユース世界選手権には出るの?

残念だけど、出ない。今年はコンペがたくさんあって、ちょっと疲れがたまり始めてる。残りのリードワールドカップのために休息をとってしっかり準備するために、ユース世界選手権はスキップすることに決めたの。

2018年のインスブルック大会ではリードとボルダリングの両方に参加する予定?

うん、そう願っている。もしボルダリングとリードが別々のスケジュールでおこなわれるなら、両方に参加するつもり。(編集部註:その後、2018年の世界選手権インスブルック大会で、ヤーニャはリード、ボルダリング、スピード、コンバインドの全種目に参加し、ボルダリング、コンバインドで優勝、リードで準優勝した。)

オリンピックについてはどう?

他のすべての選手同様、私にとっても大きな目標よ。

スピード種目のトレーニングはもう始めた?

まだ何回かスピード用のルートを登ってみただけ。どんな感じか確かめたくって。まだトレーニングはしてない。

君はもうすぐ高校を卒業するよね。やるべきことがクライミングだけになると、難しくなると思う?

どうなるか分からないけど、私はプロクライマーになりたいの。(プロクライマーとしての)キャリアが終わったら、自分のクラブを持つとか、子供達をトレーニングするとか、コーチになるなどクライミングには関わり続けていきたい。

コーチにもなりたいの?

うん!もし自分のもっているクライミングの知識を他のクライマーと共有できなかったら、とても残念だし。リン・ヒルがエル・キャピタンのノーズを登った後、「ほら、できたでしょ。男の子たち。(it goes, boys.)」っていった話は知ってるでしょ?笑。

君も男の子たちと一緒に登るときに、同じようなことがきっと起きているんじゃない?

私が男の子と登ると、たまに彼らが真剣になりすぎるときがある。特にクリンプ(カチ持ち)では、たまに私のほうが男の子よりも強かったりして、イライラされることはある。でもそれを望んでいるわけではないの。私は男の子たちと競いたいのではなくて、ただ彼らのムーブを試そうとしているだけ。それで彼らから学んでいるの!

自然の岩場でのクライミングはどんな感じ?9aはもう登った?

まだよ!1回トライしたことはあるけど、真剣なトライではなかった。ミシャペチで1日登ることがあって、マーティン・クルパンとザディッド・ホステルをトライしたけど、もっと時間が必要ね。セユーズへ行ってバイオグラフィにトライしたいとすごく思っている。グレードが9a+だからという理由ではなくて、すばらしいラインだから。9歳のときにクリス・シャルマの動画をみてから、ずっとやりたいと思ってるの。マーゴ(・ヘイズ)からは大きな刺激をもらっているわ。(マーゴ・ヘイズだけでなく)9a+をトライしているすべての女の子たちからもね!

コンペに参加するのをやめても、クライミングは続けると思う?

うん、もちろん!

トレーニングをするためには、どんな精神状態になるようにしてるの?また朝、起きたときは、どんなことを考える?

朝起きると、私はいつもトレーニングに対して強いモチベーションを感じてる。レスト日のほうがつらく感じるくらい。たまにトレーニング開始時にはあんまり調子がよくない時もあって、そういうときはつらいわね。そんなときは、トレーニングに向けて自分を追い込まなければならない。指の皮の調子が悪かったとしても、私は常に自分の全力を尽くしたいと思っている。血が出て、痛みを感じたとしても、それがいつか報われると知っているから。私はいつも自分にいうの。痛みは単に一時的なもので、そのうちなくなるって。ルートを登っていて本当にパンプしたときは、もうちょっとがんばって、自分の限界を越えようって自分に言ってるわ。

経験の積み重ねは、どれくらい上達に繋がっていると思う?

みんな「いまや君には経験の積み重ねがあるね」っていうけれど、よく分からないの。私はいつも単に登るだけで、ほとんどの部分は経験とは関係ない。精神的な部分は、経験の積み重ねが大事だけどね。16歳か17歳のときには、コンペで最初のボルダー課題を完登できないと、ものすごくイライラするという問題を抱えていた。でもいまは経験を積んだので、最初の課題が登れなくても、まだ次の3つの課題があると分かってる。こういうときには経験が役に立つわね。

君にとっては、ボルダリングコンペのほうが難しい?

いいえ、むしろ簡単ね。そして私はボルダリングコンペのほうが(リードコンペよりも)好き。きっと、(リードコンペより)リラックスできるからね。そしてボルダーがたくさんやるほうが、コンペを通じて上達できる。リードワールドカップのときは、トライできるのは1回だけで、全力を尽くさなければならない。ボルダリングでは、それぞれのボルダーが別のあらたなチャンスのように感じる。

(リードよりも)ボルダリングに対するモチベーションのほうが高いのは、この種目で獲得したタイトルが少ないから?

うーん、そうかもしれない。ボルダリングでは、もっと上達できることが自分でも分かっている。リードワールドカップに参加しているときは、「ヤーニャが絶対勝つに違いない、だから見る必要もない」ってみんなが思っているような感じがする。そうすると、私は勝たなければならないというプレッシャーを感じるの。ボルダリングでは、ラウンドごとにすべてが変わる。ボルダリングで、私はもっと成果を出せると思ってる。

(コンペで)プレッシャーは感じる?

ボルダリングでは感じない。リードでは感じる。

プレッシャーはつらい?

プレッシャーをコントロールする方法をよく学んだわ。うまく集中することもできる。私はクライミングが大好きだから、ほかのことはすべて忘れることができる。

クライミングにおける君の強みと弱点は何かな?

ジャンプとか、ちょっとおかしなムーブについては、より多くのトライが必要なのが弱点かも。私のコーチのほうがよく分かっているわ。私の強みはクリンプ(カチ持ち)とロックオフ。

君は最初から強かったの?それともトレーニングで強くなったの?

最初からかなり強かった。それだけでなく、ものすごくモチベーションが強くて、とても上手にダイナミックに動くことができた。でもそれは単に生まれ持った能力よね。その後の努力のほうがずっと重要。私は本当に努力家よ。私はトレーニングをしたいし、ベストになりたい。

コーヒーと紅茶だったらどっちが好き?

コーヒー。

山とビーチなら?

ビーチ。

セユーズとミシャペチなら?

まだいったことはないけど、セユーズ。

ワールドカップの年間優勝と世界選手権のチャンピオンなら?

世界選手権のチャンピオン!(編集部註:その後、2018年の世界選手権インスブルック大会で、ヤーニャはリード、ボルダリング、スピード、コンバインドの全種目に参加し、ボルダリング、コンバインドで優勝、リードで準優勝した。)

いままでで一番印象に残っている選手は?

女子ならキム・ジャイン。男子ならもちろんドメンよ!笑。もし他の人を選べといわれたら、アダム(・オンドラ)ね!

世界最高のルートは?

コテクニックにあるイリューシア 8c。

クライマーとして一番好きな瞬間は?

パリ大会で終了点にクリップして世界チャンピオンになったときの感覚ね。

今日はどうもありがとう!

 

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