セブ・ブワン、Move Hard(9b/5.15b)再登

文=プレスリリース
訳=羽鎌田学

7月24日月曜日、フランス人クライマー、セバスチャン・ブワンが、ノルウェー、フラタンゲルのハンスへレレン・ケイブでアダム・オンドラ初登のMove Hardを第3登した。

2017年、Silence(9c)の初登に取り組んでいたアダムによって設定されたMove Hardは、下部はMove(9b/+)のスタートからのパートを登り、途中でSilenceの第2の核心からSilenceに合流し、その上部を登っていくリンクルートである。Move Hardは、アダムの初登以来、2022年にステファノ・ギゾルフィによって再登されているだけだった。

以下は、セブのコメントである。

Move Hard、それともSilence Easy?

10日ほど前にノルウェーに着いたのですが、今回のツアーの最大の目標はProject Bigに挑戦することでした。昨年、ヤコブ・シューベルトとアダムがトライするビデオを見て以来、このルートに強く惹かれていたのです。岩場到着後、Project Bigに6日間費やし、ある程度の手応えは感じることはできたのですが、その反面、もっと時間が必要なことも明らかになってきました。おまけに先週から次第にコンディションが悪くなり始めたので、この際、別のルートにターゲットを移すことにして、やはりアダム初登のルート、Move Hardを選んだのです。

このルートは、MoveよりもSilenceと共通のパートが長いので、Silence Easyと呼んでもいいのではないでしょうか。Moveから登り始め、その最初の核心を通過した後に右に分かれて、Silenceに合流し、その第2、第3の核心をこなしながら登っていくのです。実質、Silenceの最大の核心をスキップしたルートなのです。とは言え、複数の大変面白い核心を繋ぎ合わせた、実に良いルートになっていると思います。そして、このルートを登ることは、Silenceの第2と第3の核心への自信を得るための非常に理に適ったステップでもあると考えます。

私が考えたSilenceの第2の核心の手順は、アダムやステファノとは少し違います。私はレスト後、彼らが右手で取っている最初のクリンプを左手で取ります。そして右方向にあるスローパーに右手を伸ばし、非常に悪いニーバーを効かせてから、通常の右手ガストンを捉え、それから足を上げるのです。このルートにとって、私のこの手順がゲームチェンジャーになるとは思いません。確かに手順は違いますが、それでも充分にハードなムーブです。アダムはSilenceに成功する2ヵ月程前にMove Hardを初登し、またステファノもSilenceにトライする間にこのルートを第2登しました。実際、このルートは面白い一本です。今はまだSilenceを登ろうとしていない私でさえも、このルートを登ることに夢中になってしまったほどです。

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