初心者向け! 失敗しないクライミングシューズの選び方

ボルダリング ビギナー HOW TO グッズ
2017.04.20
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 解説=榎戸雄一

ボルダリングで必須といえる唯一の道具がクライミングシューズです。シューズの性能がパフォーマンスに直結するため、その選択は非常に重要になります。 しかし、クライミングシューズは数多くのモデルが販売されていて、専門店に行くと、上級者でも迷うほど。 そこで、初心者がシューズを選ぶ際に知っておきたい重要な知識をご紹介します。

・シューズ選び、基本のキ

 

 

その1、履いてから買おう

クライミングシューズを選ぶにあたって、最も重要なのは「足に合っている」ことです。同じメーカーであってもモデルが異なると、数字の上では同じでも、全く違うサイズだったりします。シューズを買うときは絶対に履いてから買うようにしましょう。

その2、キツすぎるサイズはやめよう

フットホールドに立つ際につま先に力が集中するように、「履けるだけ小さいサイズを履け」と昔は言われていました。しかし、現在はシューズの性能が総合的に上がっており、それほど小さいサイズを履く必要はありません。 あまりキツいと足が痛くなり、クライミング自体が楽しくなくなってしまいます。目安としては、シューズに足を入れると指が少し曲がる程度、ちょっとキツいくらいで十分です。痛い場合はキツすぎるか、足の形に合っていない可能性があります。

その3、ソール(靴底)は柔らかさをチェック

クライミングの足使いは、大きく分けると「エッジング」と「スメアリング」のふたつです。細かいカチッとしたホールドにシューズの端で乗る足使いがエッジングで、ソールをベタッと置く使い方がスメアリングです。 ソールの硬いモデルほど曲がりにくいため、エッジングの性能が高く、細かいフットホールドに立ちやすくなります。 逆にスメアリングのような、靴底を押し付けて接地面を増やすことで摩擦抵抗を高めなければならない場面では、柔らかいモデルの方が登りやすいです。 ジムを中心に考えると、ソールが薄くて柔らかく、つま先の自由度が高いモデルがオススメです。

・レース、スリッパ、ベルクロ、どれを選べばいい?

レースアップ

ひも締めタイプ。スリッパやベルクロに比べると着脱の手間はあるものの、足へのフィット感は一番です。全体的に硬めでエッジングに向くシューズが多く、ジムの丸いホールドにはフィットしないこともありますが、岩場などで登る際には持っておきたいモデルです。

スリッパ

全体的に柔らかいモデルが多いです。ソールが薄く、ホールドにどう乗っているか足裏で感じやすいのが特徴です。ヒールフックの際、かかとが脱げやすいという弱点がありますが、近年は、アッパーのゴムで締め付けを強くしたり、足首のあたりにベルクロを付けたりすることで改善したモデルが登場しています。

ベルクロ

近年の主流であり、多くのシューズが発売されています。着脱しやすく、足へのフィット感もスリッパより高いです。ただし、ベルクロが先端まであるモデルはトフックがしにくく、この欠点を補うものとして、足首付近だけにベルクロが付く一本締めタイプがあります。

・はき心地を左右するソール形状

ダウントウ

ダウントウはつま先部分の縦の曲がり具合を表しています。ダウントが強ければ強いほど、強い傾斜、かぶった壁で足を残しやすくなるため、傾斜のある壁を登るときには最適です。反面、スラブなどスメアリングを多用するルートでは登りにくくなります。

ダウントしていないモデルは「フラットなシューズ」と表現されます。フラットな分、傾斜がある壁ではダウントの強いシューズに負けますが、スラブや緩い傾斜の壁に強く、比較的オールラウンドに使えます。 ダウントは前傾斜で高い性能を発揮しますが、履き心地の良さではフラットタイプに軍配が上がります。

ターンイン

ターンインは横、内側への曲がり具合を表しています。ターンインが強いと、親指に力を集中しやすく、細かいフットホールドに立ちやすいものの、アウトサイドを使うのに慣れが必要です。

反対語は「ストレートなシューズ」となります。 フラットでストレートな”癖のないシューズ”は比較的オールラウンドに使うことができ、クライミングシューズに慣れていない人でも痛みが出にくくなっています。

・初心者はどんなシューズを選べば良いのか

一般的にメーカーが初心者向けと位置付けているモデルは、フラットで癖がなく、ソールが厚く硬めで耐久性があり、ベルクロタイプが多いです。

しかし、ソールが「硬い」と小さなフットホールドに乗るのが楽になり、シューズに助けられることも多い反面、足指の力がつかず、足裏感覚が育ちません。 ホールドに乗るときは足指でホールドをつかむ力が重要です。クライミングを始めたばかりの初心者は、この力が絶対的に足りていません。 また、足裏感覚がつかめないと、ホールドにシューズのどの箇所でどうやって乗っているのか分かりにくく、足の使い方が雑になってしまいます。

基本的な足裏感覚と足指のつかむ力が身につけば、どんなシューズでも履きこなせるようになるので、初心者のうちは柔らかいシューズを履いて、足裏感覚と足指の力を育て、足指でホールドをつかんで登る感じを習得することをおすすめします。

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