脱レンタルシューズ!初めてのマイクライミングシューズはこう選ぶ

ビギナー
2017.11.28
文=小川郁代 協力=(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

レンタルシューズを卒業して初めて手に入れるマイシューズ。

何度かジムに通ううちに、「あれ、買った方が割安かな?」とか「せっかくなら綺麗なシューズで登りたい」など、自分の靴を買おうと思ったことがあったはずだ。

今回は初めてのマイシューズの選び方について紹介する。

マイシューズとレンタルは何が違う?

決して安くないシューズを自分で手に入れようと思った瞬間、もう憧れの1級を登る日に向けてスタートは切られている。

多くのお客さんが訪れるクライミングジムでは、通常レンタルシューズは安くて長持ちするものが使われている。また、初めて登る人や、色々な足のにも合うように、痛くなく履きやすいことが優先されるため、機能的に優れているとは言えないものもある。

たしかに、安くて履きやすいのは悪いことではないのだが、「スリングショット」と呼ばれるアキレス腱部分の締め付けが弱く作られている靴は脱げやすいという欠点があるので注意が必要だ。

また、たまたま自分の足の形とレンタルシューズのラスト(木型)との相性が悪く、どこか一部分が当たって痛い、となると、仕方なくワンサイズ大きめを借りて、当たっていないところまで緩い状態で履かざるを得ない。

自分のシューズを買おうと思う人なら、ゆるすぎるシューズは登りにくいということを、すでに体で感じ始めていることだろう。

初心者にシンデレラの奇跡はない

せっかく買うのだから、「サイズも形も自分にぴったりで、デザインも良くて口コミでみんなもいいと言っているシューズが欲しい」と思うのは当然だ。

しかし、残念ながらそれはとても難しい。初めてのマイシューズで完璧なものやピッタリのサイズを買える可能性など、ほとんどないと割り切って考えておいたほうがいい。

普通の靴と違い、クライミングシューズの本当のジャストサイズを知るには十分な経験が不可欠だ。初心者はまず、つま先が尖ったゴム底の小さなシューズに慣れることから始めなければならない。

クライミングシューズの本当の良し悪しなど、どんなにうまい人でもしばらく使ってみないとわからないものだ。いろいろ調べてどれが良いかわからなくなり、決めきれずにレンタルシューズを履き続けるのは時間とお金の無駄。初めてのシューズ選びに必要なのは研究より実験なのだ。 

キーワードは◯◯すぎない

では、どうやって選べばいいのか。それは大きすぎず、小さすぎず、硬すぎず、柔らかすぎず、カーブしすぎず、すべてにおいてノーマルなタイプから、できるだけ履き心地が良いと思うものを選ぶこと。

ベストでないにしても大きく的を外さなければ履いていくうちに「もう少し硬いほうが好きだ」、「もう少し曲がっていたらいいのに」などと、ぴったりなシューズ選びに向けての軌道修正が自分でできるようになる。

慣れてくるうちに、「しまったちょっと大きすぎた」と感じたとしても、レースアップやマジックベルトタイプなら、締め付け具合で十分に調整できる。

これさえ頭に置いておけば、初めて手に入れたマイシューズは、間違いなくステップアップへのパスポートになるはずだ。

※本記事はCLIMBING-joy014号の記事を元にしています。

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