東京五輪正式種目、知っておきたいボルダリング競技の流れ

ボルダリング 大会
2017.04.10
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=小川郁代

競技の流れを確認していきましょう。ちょっと複雑になりますが、試合の仕組みがわかると、今、何が行なわれているかがわかって競技の状況を把握することができます。細かく覚える必要はありませんが、頭に入れておくといいですね。

*中級編 

競技の流れ

競技は、予選、準決勝、決勝の3ラウンドで行なわれます。準決勝には20名、決勝には6名が進出。どのラウンドも競技の内容は同じなのですが、予選、準決勝と決勝では少し試合の形式が違います

まず予選と準決勝は、各課題の制限時間が5分。各選手は、5分間の競技と5分間の休憩を繰り返します。1つ目の課題のトライを終えた1番目の選手が休憩に入ると、2番目の選手が1課題目のトライを開始し、その後すべての選手が同様にローテーションしながらすべての課題にトライするので、壁では何人もの選手がトライしている状態が長く続きます

ボルダリングジャパンカップ2017準決勝にて、8人の選手が同時にトライしている

決勝では、各課題の制限時間は4分と短くなります。準決勝までとは違い、同時に登ることはありません。競技が始まると最初の選手が最終待機所から出てきて登り始め、完登、もしくは途中でギブアップするなどトライが終了したら、その選手と入れ替わりに次の選手が出てきてトライを開始します。

決勝では、一課題ごとに一人ずつトライ。
ボルダリングジャパンカップではスポットライトをあてる演出がされた

制限時間の扱い

ほかにもうひとつ、競技の流れで注目したいのが、制限時間の扱いです。

制限時間が来たら課題を登っている途中でも、あとほんの少しでゴールだったとしても、トライを中断しなければなりません。これを聞いて「決勝だけは、制限時間内にトライを開始すれば、登り続けていいのでは?」と疑問に思った人は、スポーツクライミングの競技をすでに観戦している人ですね。このルールでは、決勝に要する時間が事前にはっきりしないというデメリットがあったために、今シーズンのワールドカップから改定されたルールなのです。

タイムアップぎりぎりまで選手が集中力を高め、課題に向かって行く場面は、競技の中でも熱くなるシーン。観戦する側としては、ちょっと残念な、ルール変更といえるかもしれません。

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