ボルダリングの試合観戦をもっと楽しむための3つのポイント

ボルダリング 大会
2017.06.23
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=小川郁代

ボルダリングのコンペをより楽しむために、知っておきたいポイントを3つ紹介します。

選手の個性を見比べてみよう

競技に打ち込むそれぞれの選手のすばらしい登りに釘付けになるのはもちろんですが、選手の個性にも注目してみましょう。

例えば「体型」。

クライミングは身長が高いからといって、それが強さに直結するわけではありません。180cmを超えるような長身の選手もいれば、160cmの小柄な選手もいますが、それぞれがトップクラスの強さをもっています。

長身でリーチを活かしたムーブ、小柄で身軽な体型を活かしたダイナミックなムーブなど、選手は自分の持ち味を活かした登り方をみせてくれます。

また、競技中感情をむき出しにして雄叫びを上げて登る選手もいれば、ポーカーフェイスを守って淡々と登る選手など感情表現もさまざまです。例えば世界を何度も制してきた野口啓代選手は、国外の大会でも競技中に会場をあおって応援を求め、会場の盛り上がりを自分の力にかえていくのがとても上手です。

他にも、最近の女子選手はネイルや髪型などにも気を配っていて、お手本にするのも一つの楽しみ方です。ボルダリングをまったくしない人でも、いろいろな楽しみ方があるのではないでしょうか。

陰で競技を支えるルートセッターに注目

競技の課題は、ルートセッターによって作られています。ワールドカップや世界選手権など国際試合のセットができるのは、上級の資格を持った一流のセッター陣です。世界各国のセッターがチームとなって、その大会を成功させるために何日も前から準備をしています。

セッターの作った課題が一つ一つはもちろん、その競技会全体を通して接戦が繰り広げられ、最終的に明確な優劣がつくようなものなら、大会は成功するといえるし、選手も見ている観客もきっと満足することでしょう。

初心者にはなかなか見つけにくいのですが、「あのホールドで落ちる人が多いな」というところがあったなら、それは偶然ではなくセッターが「ここで完登者を半分に絞ろう」などと考えて設定した「核心」と呼ばれるポイントです。

セッターの多くは、自身も多くの大会で活躍したことのあるクライマーです。登る技術だけでなく、登りを組み立てる知識と経験で、大会をドラマチックに演出してくれます。その反面、課題の内容次第ではトラブルを招きかねないというとてもシビアな役割。おまけに壁にホールドを付け、実際に試登を繰り返すという重労働も兼ねているのです。ぜひルートセッターの技にも注目してみてください。

MC・解説が試合を盛り上げる

試合中の選手紹介や登り、課題について解説してくれる解説者も、試合を盛り上げる大切な役割です。選手が今どんな状況なのか、課題の難しさなど、解説があるとないとでは大違いです。ただし完登できたかどうかも含め、競技を待つ選手に有利となる情報については話すことができません。

ボルダリングは見るのもやるのも楽しいスポーツ。一流選手たちの熱い戦いを思う存分楽しむために、ぜひポイントをチェックしておきましょう。そして、実際に一度でも体験しておくことが、より観戦を楽しむ一番の方法です。さあ、次の休日は近くのジムに出かけてみましょう!

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