3年後の東京五輪に向けて、スポーツクライミング観戦の楽しみ方を、今からチェック。ボルダリングがどんな競技か? わかった人は、勝敗の決まり方を確認していきましょう。
競技の課題は複数設定されていて、1本でも多く成功(完登という)した人が上位になります。1本の課題を登る制限時間が設けられていて、時間内に登れなければ、その課題ではポイントが獲得できません。時間内なら失敗しても、何度でもトライすることができます。
もしすべての課題を、全員が完登した場合はどうなるでしょうか? その場合に考慮されるのがアテンプトと呼ばれるトライした回数です。アテンプトが少ないほうの成績が上位になります。つまり2回目で登れたよりも、1回目で完登したほうが価値があるということです。
それでも同成績の場合は、課題の中間付近に設けられたボーナスホールドでポイント数を競います。課題の途中に、ポイントとなるホールドが設定されていて、そこを通過した場合、またはボーナスホールドを保持した場合に認定されます。こちらも、ボーナスを獲得するのに要したトライ数が少ないほうが上と見なされます。
さらにそれでも同成績だった場合は、カウントバックといって、前のラウンド(決勝なら準決勝)の成績によって順位が決定します。
ボルダリング競技はリードと違って1つの課題は短いのですが、登っている間ずっと力を抜くところが無いような、強度が強く難易度の高いムーブが求められることが多く、パワフルでダイナミックな面白さがあります。
■選手ごとのムーブの違いに注目しよう
リードやスピードでは、同じルートで選手ごとにまったく違うムーブで登るということはあまりありませんが、ボルダリングではよく見かける光景です。「そんなムーブがあったか」、「逆の手順で成功するとは」などと驚くようなことも。選手ごとの発想や得手不得手、柔軟性や身長などの身体的特徴にもよるのでしょうが、斬新なムーブに、思わず会場から「おおーっ」と歓声が上がることもあります。
■ダイナミックな動きを楽しもう
ボルダリングでは、手を伸ばしても届かないような遠いホールドに飛びつくランジや、手の届かない高さのホールドからスタートする地ジャンスタート、大きなフットホールドを飛び渡るように、連続性のあるムーブで解決するコーディネーション系の技術など、ほかの種目ではめったに見られないムーブが繰り広げられることがあります。また、手の力だけでホールドにぶら下がって次のホールドに飛び移るような足ブラの動きも、持久力よりも瞬発力や機動力が試されるボルダリングならでは。アクロバティックな動きは、クライマーでなくても目を奪われること間違いなしです。
■スラブの面白さが楽しめるのもボルダリングならでは
逆に、ほんの小さな突起や壁や巨大なホールドの表面に足をこすり付けるようにしてバランスをとるスラブ課題は、繊細な動きでじわりと動く、息をのむような緊張感があります。
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