クライミングで肩を痛めたくないあなたに! おすすめの簡単エクササイズ3選

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2017.07.21
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=杉山典之 モデル=抜井亮瑛

講習会などにいくと、決まって故障を訴えるクライマーさんからのご相談を受けます。

その中でも特に耳にするのが、肩の調子が悪いというご相談。

など、いろんな症状を聞きますが、上記のおおよそはクライミング後のケアをこまめにすることで軽減することが可能だって知っていましたか?

今回はクライマーを悩ませる肩の不調と、日常でのセルフケアについてのお話です。

クライマーを悩ませる肩の故障の主な原因

まず、肩という関節は人体の中で一番よく動く(動く範囲の広い)関節です。 それゆえに、いろんな靭帯や筋肉の影響を受けています。 肩のポジションが理想的な位置にあれば、筋肉もバランスよく使えるので問題はありません。

しかし、クライミングの競技特性上、胸の筋肉をはじめとする胴体(体幹)の前側の筋肉をよく使うので肩のポジションが崩れてしまい、多くのクライマーは肩が前に出る(内に入る)、いわゆる「巻き肩」という状態になってしまうのです。 「巻き肩」は肩の軸側が内側に巻き込んだような状態です。

では、こんな状態で腕をあげるとどうなるのか、ちょっと試してみましょう。

まずは、足を腰の幅に開いて平行に立ちます。 そして手のひら(親指)を内側に回すようにして、手のひらが外側に向くまで回してください。

この状態で、腕を前から上にあげてみましょう。

次に、今度は手のひら(親指)を前に向けてください。 そして、先ほどと同じように腕を前から上にあげてみましょう。

いかがでしょうか。

おそらく手のひらが前に向いているときのほうが腕は上げやすいと思います。 こまかい説明は省略しますが、骨の形状の特徴上、こんなことが起こるのです。

勘のいいあなたならお気づきかもしれませんが、前者は「背中が使えていない状態」、後者は「背中が使えている状態」です。

もちろん、背中が使えない原因というのはさまざまですが、この「巻き肩」が肩の不調とパフォーマンス低下を引き起こすこと自体は間違いありません。

パフォーマンスでいうとたとえば腕のリーチ。巻き肩になると肩甲骨が不器用になってしまうため、うまくリーチが出せなくなってしまいます。 これってとても勿体無いことですよね。 では、日常のケアでこの肩の問題と、クライミングで使いすぎた筋肉たちの問題をリセットしてしまいましょう。

ものぐさのための毎日姿勢リセット法

「今日は練習で追い込んだなぁ」

そんなときって、背中や胸の筋肉が張った感じがありませんか? そんな日に、家に帰ってから体をコンディショニングするのって、正直、面倒なことだしあまりやりたくありませんよね。 僕も基本的には「ものぐさ」な性格なので、あれこれ時間をかけるのは嫌いです(笑



なので今回は、ちょっとしたツールを使ったエクササイズ法をご紹介しましょう。

その名も「ストレッチポール®」です。 ご存知のかたも多いかもしれませんが、ストレッチポール®はアスリートにも広く使われています。

※画像をクリックすると商品公式ページに飛びます。

これは、ストレッチポール®が安全で簡単に再現性の高い効果を出せるツールだからです。 僕が見ている選手たちも、必ずといっていいほど使っていますし、必ずオススメしています。

よそへいくとありがちなのは、ポールを使ってコロコロ転がして筋膜リリースのように使っているケースです。 もちろん、これでも悪くはありませんが、今回のテーマは姿勢のリセットです。

ストレッチポール®を使ったクライマーにオススメの3つの簡単エクササイズをご紹介しましょう。

クライマーにオススメする、3つの簡単エクササイズ!

 

基本姿勢

ポールの縫い目が背中にあたらないように置き、ポールの端にお尻を乗せてそっと仰向けになります。 頭がポールから落ちないように注意しましょう。

膝は立て膝、足幅と膝幅は腰幅と同じぐらいにします。 個人差があるので手足の位置は調整しながら、自分の一番安定する場所を探しましょう。 安定して、リラックスできた場所が基本姿勢です。

1.胸開き

目的「胸の筋肉のリラクゼーション、背中を引きやすくする 」

両手と両肘を床につけながら、ゆっくりと胸の高さくらいまで広げていきましょう。 無理に広げる必要はありません。 自分が楽だと感じる位置まで広げたら、ゆっくりと呼吸しましょう。 だんだんと胸が開いていくような感覚です。 それから、腕を元の位置に戻しましょう。 

2.膝ゆるめ運動

目的「股関節のリラクゼーション、骨盤の安定化」

片方ずつゆっくり足を伸ばします。 上体が不安定になるようであれば、少し足の間隔を広げてもよいでしょう。 かかとを地面につけた状態で、軽く膝を持ち上げて小さく軽く交互に上下に揺らしてみます。 振動が股関節に伝わっていくようなイメージです。

3.自然呼吸

目的「肋骨や背中の動きを作る、インナーマッスルの意識化」

体のポジションを基本姿勢にして、ゆっくり呼吸をします。 特に深呼吸でなくて構いませんので、自然に楽な状態でゆっくり呼吸してください。 自分の胸が動いているイメージです。

ひとつのエクササイズを2〜3分くらいで、1日1〜2セットを目安に行ないましょう。 うちの整骨院や講習会先でも「え!?背中ってこんなに伸びるの!?」「腕が伸ばしやすいし、背中が使える感じがわかります!」といったよろこびの声をたくさんいただいています。

簡単に毎日できるエクササイズで故障を減らし、さらなる高グレードを目指しましょう!

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