クライミングというスポーツの一番の特徴、それは「登る」ということです。 登るスポーツというのは他に類はなく、だからこそ普段あまり鍛えられていない部分にも負担がかかります。
そう、今回のテーマは手首です。
手首といえば腱鞘炎もそうですが、クライマーの方で特に多いと感じるのは、やはりTFCC損傷ではないでしょうか? 今回は、TFCC損傷の方にセルフケアとしてお伝えしているポイントを、伝授させていただこうと思います。
「TFCC損傷」とは、三角線維軟骨複合体損傷の通称です。
『腱鞘炎だろうとテーピングで騙し騙し使っていたら、手をついたりドアノブをひねるのも痛くなってきた。』
なんて経験はありませんか?
特に、手首の小指側に痛みを感じるようであればTFCC損傷の可能性があります。 原因に関しては筆者のブログ「クライマーを悩ませるTFCC損傷の原因」にも詳しく書いていますが、思うに、損傷による痛みというよりも手首の歪み(関節の位置異常)によって痛みが起こると考えます。 ホールドの持ち方やムーブのクセなどによって、腕周りの使いやすい部分を優先的に使うようになります。 すると、手首周辺の筋肉のバランスがうまく保てなくなるのです。 結果的にこれが痛みの原因になってしまいます。
たとえば、肘の周辺や肩の周辺を、軽く摘んでみましょう。 他の場所に比べて皮ふが硬くなっているところはありませんか? 皮ふが硬い部分は、筋肉を包んでいる膜の滑りが悪くなっている可能性があります。 要するに、筋肉がうまく伸び縮みしなくなっています。 そんな状態であれば、筋力のバランスが崩れるというのも納得ですね。 ここを無視して動かし続けると、さらなる痛みを引き起こす原因にもつながります。
立っている状態で手のひらを前に向け、肘より下の内側をつまみます。
そしてつまんだ状態を維持しつつ、ドアノブを捻るように手首を3〜5回繰り返し動かしてみましょう。 これを肘の付け根から手首の方に向けて、少しずつ位置をずらしながら繰り返します。
動画解説↓↓
立っている状態で手のひらを前に向け、肘のちょうど外側をつまみます。
そしてつまんだ状態を維持しつつ、ドアノブを捻るように手首を3〜5回繰り返し動かしてみましょう。
動画解説↓↓
立っている状態で手のひらを前に向け、肩の付け根のちょうど外側をつまみます。 そしてつまんだ状態を維持しつつ、肘を3〜5回繰り返し曲げ伸ばししてみましょう。
これを肩の付け根から肘の方に向けて、少しずつ位置をずらしながら繰り返します。 手首を捻っていたり、手をついたときに痛みを感じる人は、1〜3のポイントのいずれかの皮ふをつまんだ状態で同じ動作をすると、痛みが軽減・消失するポイントがあるかと思います。 その場合は変化のあったポイントを集中的にセルフリリースすると良いでしょう。
動画解説↓↓
万が一、上記のポイントに該当しない場合は、腕のいろんな箇所をつまみながら痛みのチェックをおこなってみてください。 きっと、痛みに変化のあるポイントがあるはずです。 あとはそのポイントを中心にセルフリリースを行ないましょう。
痛みを解消して、楽しいクライミングライフを!
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