【後編】クライミングジムでトップロープをはじめよう!トップロープでクライミング実践編

ルート ビギナー HOW TO インドア
2017.09.15
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 監修=柴田朋広(日本山岳ガイド協会フリークライミングインストラクター) 写真・文=挾間みゆき

より高い壁に挑戦する第一歩としておすすめなのがトップロープクライミングです。前編ではトップロープの概要や必要な道具についてご紹介しました。

前編はこちら→「【前編】クライミングジムでトップロープをはじめよう!トップロープクライミングとは

後編では実際にクライミングジムでトップロープに挑戦するときの登り方や注意点をご紹介します。

日本山岳ガイド協会フリークライミングインストラクターでありミストラルクライミングジムのオーナー、柴田朋広さんにトップロープの実践について教えていただきます。

トップロープで使う道具をセット

まずはハーネスの装着です。ウェストベルトは腰回りちょうどになるよう絞り、バックルを締めた紐が落ちないように末端はしまいます。(シングルバックルの場合、折り返しができているかチェックしましょう)

レッグループは体に密着するように調整します。ゆるいままだと落下の際に体を痛める原因となり、最悪の場合、はずれて地面に落下してしまう危険性があります。装着は確実に行ないましょう。

ちなみにハーネスはアウトドア用品店では登山用の簡易ハーネスとクライミング専用のハーネスがあるので、間違わないように注意が必要です。チョークバッグはハーネスの上から装着します。

次にクライマー側のロープをセットします。ジムの壁に既に設置されているロープの末端に付いている2枚のカラビナを、互い違いの向きにしてビレイループにセットして安全環を締めます。

ビレイヤー側はビレイディバイス(ATC)にロープを通してビレイループにセットします。

安全確認を行なう

登る前にクライマーとビレイヤーは互いに装備の安全確認を行ないます。

しっかりと確認をしましょう。

コールを掛け合いながら登る 

装備の安全確認ができたら、登り始めます。ビレイヤーはロープの弛みがないようにスタンバイし、クライマーは準備ができたら「登ります」と合図(コール)を送りスタート。クライマーはロープを踏まないように壁を登っていきます。ロープ以外、基本の動きはボルダリングと同じです。

トップホールドを保持したらクライマーは「ロープを張って下さい」と声掛けをして、ビレイヤーがロープを張ります。「張りました」と返事が返ってきたら、次に「ぶら下がります」と合図をして、クライマーは壁に足を突っ張る体勢を取ります。準備ができたら「降ろして下さい」と合図を送り、降下を開始します。

降下のときにホールドを掴んでしまうとロープが弛んでしまうため、ホールドは掴まないように注意しましょう。手と体は壁から離した状態で、足でバランスを取りながら降下します。無事に着地したら「ビレイ解除してください」と声掛けをして終了です。

ジムでのクライミング中にもうひとつ注意をしたいのが、リード用のクイックドローは掴まないということ。突然の落下に驚いてついうっかり…なんてこともあるかもしれませんが、手を怪我してしまう危険性があります。

ビレイヤーの動きとロープさばき

 

突然の落下にも対処できるようにビレイ中はクライマーから目を離さず、ロープは軽く張っておきます。ビレイ中はロープがねじれないように気をつけながら、ロープは足元にまとめて置くといいでしょう。

ビレイの動きはまず、利き手でない方の手で上のロープを引き、同時に下のロープを利き手で引きます。利き手は常にビレイディバイスよりも下のロープを握っておきます。手元の動きは以下の通りです。※動画が流れます。

 

制動(ブレーキ)をかけるときは、利き手で持っている下のロープを押さえて、摩擦の力を発生させロープの動きを止めます。 基本はクライマーが主となり、ビレイヤーがコールを受けてロープ操作を行ないます。ビレイヤーは命を預かる立場でもあるため、声の掛け合いは確実に行ないましょう。

「道具の使い方だけでなく、安全管理を学ぶということは自身のクライミングの可能性や選択肢も広げられます。そういうことに興味がある人はぜひ、挑戦してみてください。」と柴田さん。

ボルダリングからトップロープ。一見ハードルが高そうで、はじめは誰でもためらいがちなもの。まずは講習会を受けてわからないことは気軽にインストラクターに聞いてみましょう。

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